【完全版】プロが教える、絵画のおしゃれな飾り方!インテリア×アートを楽しむコツを徹底解説
投稿日:2日前に更新

目次
素敵な絵画を買ったものの、「おしゃれな飾り方が分からない」「なんだかバランスが悪い気がする」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
アート作品は飾り方一つで、その印象が大きく変わります。
魅力を最大限に引き出して、おしゃれなお部屋作りを楽しみましょう。
今回はインテリアコーディネーターの三宅利佳が、絵画を飾るための基本知識から応用テクニック、賃貸でも手軽に飾れる方法まで徹底解説します。
<基本編>絵画のおしゃれな飾り方
まずは、絵画をバランスよく飾るための基本的なルールを紹介します。
フォーカルポイントに飾る

出典:Adobe Stock
絵画は、フォーカルポイント(Focal Point)に飾ることで最もバランスがよくなります。
フォーカルポイントとは、部屋に入ったときに「自然と最初に目が行く場所」のことです。
たとえば入口の対角線上の壁や、リビングならソファの背後、ダイニングならテーブルの側など、その部屋の「主役」ともいえる位置です。
ここに絵画を飾ることで、部屋全体が引き締まり、洗練された印象になります。
飾る場所の形状を意識する

下田 和弘『rebirth of memory (D-19) 』
縦長か横長か、壁面の形状に合った作品を選ぶことで、空間との一体感が増します。
ソファの上など、視線が横に流れる空間には横長の作品、もしくは複数枚を横に並べて飾ると、安定感と広がりを感じさせます。
廊下や柱の側面など、高さがある空間には縦長の作品か、縦に連ねるスタイリッシュなレイアウトが適しています。
縦長の作品特集
横長の作品特集
絵画のサイズ選び
おしゃれな配置の決め手は、絵画と壁面の「余白」のバランスです。
壁に対して絵が小さすぎても、大きすぎても野暮ったく見えてしまいます。
以下を参考に、飾る壁面や家具に対する絵画の割合を意識してみましょう。
壁面の<20%~30%>になるサイズ

Naoko Yasukawa『日は昇り、そして朝が来る #2』
壁の大部分を占めず、ゆったりとした余白を活かした飾り方です。
作品をじっくり鑑賞させる効果があり、シンプルで落ち着いた雰囲気の部屋や、初めてアートを飾る方におすすめです。
Sサイズの作品
壁面の<50%>になるサイズ

日比谷泰一郎『Crowds64 #You shall love your neighbor as yourself』
絵画を部屋のメインとして主張させる飾り方です。
大胆で華やかな印象を与え、モダンなインテリアによく合います。視覚的なインパクトを重視したい場合に最適です。
XLサイズの作品
家具に対して横幅<70%>になるサイズ

下田 和弘『rebirth of memory (Z-03)』
絵画をソファやサイドボードなどの上に飾る場合、家具の横幅約70%程度のサイズを選ぶと、視覚的に安定した美しいバランスになります。
たとえば横幅180cmのソファなら、126cm前後の作品が理想です。
この「7割ルール」を適用するだけで、一気にプロのような仕上がりを実現できます。
間隔を調整しながら、複数枚の絵画を飾るのもおすすめです。
自由な幅で飾れる 連作特集
目線の高さを意識する

出典:Adobe Stock
絵画を飾る位置の基本は、「鑑賞しやすい目線」です。
適切な高さにすることで作品が空間に溶け込み、心地よさが生まれます。
最も一般的な基準は、作品の中心が床から140cm~150cmになる位置です。これは、立って鑑賞する大人の平均的な目線(アイレベル)であり、美術館でも採用される基本の高さです。
多くの人が無意識にこれより高い位置に飾りがちで、絵が浮いて見えてしまう原因になっています。より洗練された印象にするには、少し低めの位置を意識しましょう。
特に、ソファやダイニングテーブルなどの近くでは、座った時の目線(床から120cm〜130cm程度)に飾ると、空間になじみやすくなります。
飾る位置を測るときはメジャーのほか、レーザーの距離計や水平器を使うのもおすすめです。
<応用編>絵画のおしゃれな飾り方【10選】
ここでは、複数の作品を飾る際に役立つレイアウトを10パターンご紹介します。
壁の形状やインテリアに合わせて使い分けることで、アートギャラリーのような洗練された雰囲気を演出できますよ。
【みたらし団子型】:中心部を揃えて横一列に並べる

複数の作品の中心線(水平方向の軸)を一直線に揃える配置です。
統一感とリズムが生まれ、違うタイプの作品を並べても雑多に見えません。アートを連作のように見せたい場合にも効果的です。
【行列型】:上部(または下部)を揃えて横一列に並べる

作品の端を揃えることで、視覚的な基準線を作り出し、スッキリとした印象を与えます。家具の上など、特定の境界線がある場所に適しています。
【串の字型】:中心部を揃えて縦一列に並べる

縦方向の中心線を揃えて、作品を上下に配置するレイアウトです。
垂直方向の視線移動を促し、空間を高く見せる効果もあります。
【田の字型】:等間隔に整然と並べる(グリッド配置)

作品を縦横で同じ間隔(グリッド)で配置する、最もフォーマルで整然としたレイアウトです。
サイズの揃った作品を複数枚使うと、美術館のようなモダンな空間を演出できます。
配置前に床に並べて、間隔をシミュレーションするのがおすすめです。
【表彰台型】:高さをずらして並べる

中央の作品を最も高くし、左右の作品を段階的に低く配置するレイアウトです。
メインにしたい作品を真ん中に置き、左右がそれを引き立てる構図にすることで安定感が生まれます。
【階段型】:段々に並べる

階段の傾斜に合わせて、作品を斜めのラインに沿って配置するレイアウトです。
サイズやフレームを統一すると、より洗練された印象になります。
【住宅街型】:集合体として四角に並べる

サイズの異なる作品を、全体として一つの大きな四角形になるように密集させます。
それぞれの作品の個性を楽しむと同時に、空間に強いインパクトを与えることができます。
【ランダム型①】違うサイズの作品を組み合わせる

出典: ELEPHANT STOCK
全体のバランスを考えながら、あえて不揃いなサイズを配置するレイアウトです。
異なるテイストの作品を合わせることで、アーティスティックな雰囲気を演出できます。
ただし、目線の高さや作品同士の間隔は、ある程度意識するとよいでしょう。
【ランダム型②】小物と組み合わせる

出典: COSIMO
壁一面に作品をランダムに飾り、隙間に植物や写真、雑貨などを置いていく方法です。
空間に楽しさやオリジナリティを加えたい場合に試してみましょう。
【ランダム型③】作品を重ねて立てかける

出典: THE COPPER WOLF
サイズや縦横の異なる作品を、あえて重ねて立てかける方法もあります。
風景画、人物画、抽象画などまったく違うジャンルの作品も、レイヤリングすることでまとまって見え、メッセージ性のある斬新な雰囲気になります。
額装で絵画をさらに楽しもう

出典:Adobe Stock
絵画にとって、額装は印象を決定づける大切な要素です。
額装を工夫することで、空間とのコーディネートをさらに楽しむことができます。
フレームの材質

福田桃子『たゆたう3』

森 千『MT-Line【Brilliance 水光】』
フレームの材質は、作品と空間に与える雰囲気を決定付けます。
木製フレームを選ぶと、天然素材ならではの温かみや優しさが加わり、ナチュラルテイストやクラシックな部屋になじみます。
一方、金属製(アルミなど)のフレームを選ぶと、シャープで洗練された印象になり、モダンやミニマルなインテリアとよく合います。
フレームの色

&lemon『呼吸をあわせる(S-#37)【アートプリント】』
同じ材質のフレームでも、色によって雰囲気が変わります。
たとえば、ナチュラルテイストやカフェ・北欧系には淡い色、クラシカルでシックな雰囲気には濃い色のフレームを合わせると、空間との相性がよくなります。
また、作品内に含まれる色を選ぶと全体に統一感が生まれますし、壁の色に近い色を選ぶと作品がより際立ちます。
フレームの太さ

大蔵紗也『mountain #1』
フレームの太さは、絵画が空間で主張する度合いに影響します。
作品によって使い分けることで、飾ったときの印象をコントロールできます。
細いフレームは繊細でミニマルな印象になり、広い空間で作品を際立たせたい場合や、作品に目線を集中させたい場合におすすめです。
太いフレームは、重厚感と存在感を作品に与えます。
絵画を主役としてしっかり主張させたいときや、空間に力強いアクセントを加えたいときに効果的です。
マット:絵画の魅力を引き出す余白の美

Yasuko Okamoto (岡本慈子)『No name【アートプリント】』
マットは、作品とフレームの間に生まれる「余白」を作り出す重要な要素です。
色や幅を変えるだけで、作品の印象が大きく変化します。
特に幅広のマットを使用すると、作品と鑑賞者の間に美しい「間(ま)」が生まれるため、作品をより洗練された雰囲気に演出することができます。
なお、額装作業が難しい場合は、あらかじめプロの手で選ばれた額縁・マット付きの作品を選ぶのがおすすめです。
まとめ
絵画をおしゃれに飾るのは、決して難しいことではありません。
基本ルールを押さえれば、誰でも簡単に素敵な空間が作れます。
さらに、レイアウトや額装を工夫することで、絵画を違った印象にすることができます。
WASABIでは、5,000円台で購入できる額縁付きの作品も取り揃えていますので、ぜひお気に入りの一枚を見つけてみてください。
\5,500均一 額縁付き作品
Q&A
最後に、絵画の飾り方についてよくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q: 絵画をおしゃれに飾るポイントは?
A: 以下の3つのポイントを意識することで、絵画をおしゃれに飾ることができます。
① 統一感
フレームの色や材質を揃える、作品のテイストやジャンルを揃える、特定のライン(上下の端など)を揃えることで、バラバラに見えません。
② バランス
壁に対して適切な作品サイズを意識し、特に家具の上に飾る場合は、家具の横幅の70%を目安にすると安定したバランスになります。
③ 余白
壁面の余白を恐れず、作品の周りに十分な空間を持たせることで、絵画がより際立ちます。
Q: 飾る前に確認するべきことは?
A: 作品を購入し、飾る場所を決めたら、以下の4点を確認しましょう。
① 素材
飾る壁が石膏ボードか、コンクリートか、木材かを確認します。壁の素材によって使えるフックやピンの種類が変わります。
② 配置
水平器などを使って、飾る位置が水平・垂直であるか、基本の高さ(床から140〜150cm)を守れているかを確認します。
③ 状態
絵画や額縁にホコリや汚れがないか、ワイヤーや金具に緩みがないかを確認します。
④ 重さ
飾る作品の重さを把握し、壁の素材と重さに合った耐荷重のフックやピンを準備します。特に重い作品は、壁の柱(間柱)を探して固定することが重要です。
Q: 壁を傷付けずに飾る方法はある?
A: 賃貸住宅など、壁に大きな傷を付けたくない場合に使える方法はいくつかあります。
● ニンジャピン / 虫ピン:
非常に細い釘やピンを使うことで、壁に残る穴を最小限に抑えられます。軽量な作品(数kgまで)に適しています。
● ホッチキス型フック:
ホッチキスの針でフックを壁に固定するタイプです。針穴が小さいため目立ちにくく、比較的重い作品(5kg〜8kg程度)にも対応できる製品があります。
● 貼ってはがせる両面テープ/粘着フック:
ポスターや軽いキャンバス画など、ごく軽量な作品(数百g程度)を飾るのに適しています。ただし、壁紙の素材によっては剥がす際に傷が付くリスクがあるため、目立たない場所で試してから使用しましょう。
● ピクチャーレール:
天井や壁上部にレールを設置し、フック付きのワイヤーで吊るす方法です。一度設置すれば、作品の入れ替えや位置調整が自由自在にでき、壁に穴を開けるのは最初のレール設置時のみで済みます。
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