寝室に絵画はどう飾る?配置とアートの選び方のコツを実例付きでご紹介!
投稿日:(金)
目次
こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。皆さんは絵画を寝室に飾るとしたら、どのように飾りますか?
寝室や自分の部屋は、完全なプライベートスペース。実はアートを選ぶ時、プライベートな場所に飾るものの方が選びやすいというのをご存知ですか?
理由は簡単。プライベートなスペースに飾る絵は、他人の目を気にせず、自分の「好き」を表現すれば良いからです。好きなアートが飾ってある自分のためだけの空間…想像しただけでワクワクしますよね。
せっかくならその絵画、もっと素敵に飾りませんか?
今日はインテリアコーディネーターが手掛けた寝室の実例をもとに、寝室にアートを飾るときのコツをご紹介いたします。
寝室に合うおすすめの絵画・アート5選
1.ゆめのなか -blue-|イヌブシユウスケ
イラストレーター・イヌブシが描く、アクリルの質感を活かした色使いが特徴的な作品。
海が滲んだような深いブルーは、まさに「ゆめのなか」にいるかのように、ゆっくりと滴っていきます。とろこどころのイエローが絵画全体を引き立てている印象です。
ぜひ、ブルー系のインテリアと合わせてみてください。
テイストが近いアート・絵画
2.The last sun |Henry Holland
アーティスト・Henry Hollandが、霞がかかったような夏の夕暮れにインスパイアされ描いた作品。
グレーの木枠によって生まれる余白が、モダンで非常におしゃれ。
一辺22cmで小ぶりなサイズのうえ、シリーズ作品なので、並べて飾ってもいいですね。
Henry Hollandの他のアート・絵画
3.INFINITY-KOKU|RABENDER.M
アーティスト・RABENDER.Mが、刻々と過ぎてゆく時が一瞬止まったようなイメージを描き止めた作品。
落ち着いたトーンと、作品の静謐な空気感は、寝室など一息つきたい空間にぴったりです。
RABENDER.Mの他のアート・絵画
4.Un Fleur (en: a flower)|IORI KIKUCHI
クラシック調のインテリアを、水彩の淡い色合いで描いた作品。
スケッチのようなラフな印象の作品なので、ナチュラル・北欧スタイルの寝室との相性がとてもいいです。
絵画の色彩にあわせて、イエローやオレンジのインテリアや雑貨を取り入れると、統一感を演出できます。
IORI KIKUCHIの他のアート・絵画
5.horizontal flow #13 |北島曜
空と海の境界を描く北島曜の「horizontal flow」シリーズ。
上の2色は空や分厚い雲を表しているのか、イエローは夕焼けを表現しているようにも見えます。
ホテルライクな洗練された空間とはもちろん、独特な丸みのあるラインがナチュラル・北欧テイストにも合います。
北島曜の他のアート・絵画
今回ご紹介した作品以外にも、WASABIではアート作品を豊富に取り揃えています。10,000円以下のお求めやすい価格の作品も多数あるので、気になった方は下のリンクからご確認ください!
寝室に合う絵画・アートの選び方
目に優しいと感じる色をセレクト
寝室は、一日の疲れを癒す特別な場所。そんな大切な空間を、もっと心地よくするためのちょっとしたコツをお伝えします。
深いブルーや落ち着いたネイビーのような「寒色」は、心を落ち着かせてくれる色として知られています。海をモチーフにしたアートだと、よりリラックスした時間を過ごせるかもしれません。
ブルーのアート・絵画
他にも、ベージュやグリーン、ブラウンのような「アースカラー」は、自然の中にいるかのような安らぎを感じさせてくれます。特に、優しいタッチの抽象画は、心を和ませるのにぴったりです。
グリーンのアート・絵画
でも、もちろん、私がおすすめするスタイルとは違うものに心惹かれることもあるでしょう。寝室はあなただけの場所。だからこそ、自分の「好き」を大切にして、自分の感じるままに選んでみてください。あなたの感性を信じて、心地よい空間を作り上げてくださいね。
ベッド・家具・空間との比率バランスを合わせる
あなたの寝室をより素敵にするための小ワザ、教えちゃいます!アートを飾るとき、その大きさって結構悩みますよね。でも、ちょっとしたコツで、とってもバランスの良い空間が作れるんです。
まず、寝室の家具、例えばベッドやキャビネットの大きさを参考にしましょう。特に、初めての方は、ベッドのヘッドボードの幅とアートの幅を合わせると、すごくしっくりきますよ。
家具とアート、この2つがうまく調和するための秘訣は、家具の大きさの50~75%くらいのアートを選ぶこと。特にベッドは大きな存在感があるので、アートも「60~80%のサイズ」で選ぶと、ちょうど良い感じになります。たとえば、シングルベッドのヘッドボードが100cmだったら、アートは「60cm以上」の幅がおすすめです。
60cm以上のアート・絵画
縦長や小さなアートは、1枚だけだとちょっと物足りなく感じることも。でも、複数枚を組み合わせて飾ることで、一気に存在感がアップしますよ。このとき、ベッドのヘッドボードとのバランスを考えて、アート全体がヘッドボードの60~80%くらいのボリュームになるように配置すると、とってもしっくりきます。
23cm以下のアート・絵画
寝室に絵画を飾るときにおすすめの3つの場所
アートを飾る場所の選択肢は大きく3つに分けられます。
おすすめの場所
□ベッドの真上
□ベッドの横
□ベッドに入った時によく見える壁
お部屋によって窓の位置や収納の扉などの位置が異なりますが、この3つの何処かには、飾れるはずです。
ベッドの真上に飾る
[House O project] design by Class S interior design
このプロジェクトの写真をもっと見る
大きな絵を飾りたいなら、ベッドの真上が最適です。ここにアートが飾ってあることで、フォーカルポイント(目を引く場所)ができて安定感が生まれ、ホテルのような寝室になります。
家具とアート、バランス良く見えるサイズの関係も押さえておきましょう。前にある家具(寝室ならベッド)の横幅の50~75%程度の大きさのアートが良いと言われています。また、横長の壁には横長のアート、縦長の壁には縦長のアートを合わせるとバランス良く見えます。
ベッドの上にアートを飾るときは、地震などで落下しないように、しっかりと壁に固定してくださいね。
ねりけしのようなソフト粘着剤を丸めてアートと壁をくっつけると、落下を防げるので安心です。
ベッドの横に飾る
[Plus Art 推進会 インテリアと睡眠調査 モニターC邸] アート:アンティーク版画 16 世紀 / オーセンテリア Photo by HirokazuTouwaku
このプロジェクトの写真をもっと見る
小さいアートの場合、ベッドの真上に飾ると寂しく感じられることがあります。また、ベッドヘッド側には窓があって、アートを飾れる壁が無いなんてこともありますよね。そんな時は、側面の壁を利用しましょう。動きが出て、正面に飾るのとはまだ違ったぬけ感が生まれます。
ベッドからよく見える位置に飾る
[Plus Art 推進会 インテリアと睡眠調査 モニターA邸] アート:はやしまりこ「TUNAGU」/ A&M Photo by HirokazuTouwaku
このプロジェクトの写真をもっと見る
寝る間際や起き抜けに、アートを見て癒されたい、元気をもらいたい、と言う場合は、ベッドからよく見える場所がおすすめです。キャビネットなどがあれば、その上に置いて飾っても良いですね。
スリムでシンプルなサイドテーブルであれば、どんな部屋にもぴったりです。
寝る直前になるべく余計なもの(仕事や学校のことを思い出すようなもの)が目に入らないようにしておくと、リラックスして安眠につながるとも言われています。お部屋をすっきりと片付けてアートを飾れば、よく眠れ、気持ちよく起きられる寝室の完成です!
どこに飾るか迷ったら
どこに飾るか迷ったら、生活する中で一番よく見える場所はどこだろう?と言う意識で寝室を見渡してみてください。例えば寝室入って一番に目がいくと言われている対角線のコーナーや、目覚まし時計の近くなど、きっとどこかに最適な場所があるはずです。
また、アートを飾る高さは、作品の中心が目線の高さになることを意識してみてください。人は無意識の時、少し目線を下げて過ごしています。ベッドから見るアートは、気持ち低めかな?という高さがベストバランスです。
寝室と絵画のコーディネート事例
アートはファッションで例えるならばコーディネートの仕上げとなるアクセサリーのような存在です。シンプルなファッションを控えめなアクセサリーで仕上げれば、知的で上品な印象になりますし、同じ服に派手でパンチの聞いたアクセサリーを合わせると、モードで個性的な印象になりますよね。
アートをコーディネートするときは、お部屋をどんなイメージにしたいか?を考えると上手くいきます。
⑴同系色でまとめる
Photo by HirokazuTouwaku
アートとインテリアをなじませて、調和のとれたリラックスできる空間にしたいなら、お互いに色や素材を寄せていくと上手くいきます。例えば、アートの中にある色をベッドリネンやクッションなどにも取り入れると、統一感が生まれます。
額縁を選べる場合は、寝室の家具の色に合わせて選ぶと良いでしょう。調和の取れた空間は、1日の終わりに心地よいリラックスタイムを与えてくれます。
⑵アートを主役にする
Photo by HirokazuTouwaku
アートをインテリアの主役にしたい、アートから刺激をもらえる空間にしたい!というもの素敵ですね。アートが主役になるように、インテリアはできるだけシンプルに、脇役に徹しましょう。
もしアートだけが目立ちすぎて浮いてしまうようなときは、クッションを使った中和策がおすすめです。アートの中にある色と同系色のクッションをプラスしてみてください。空間の中にアクセントになる色が散らばることで、インパクトを損なわずに調和も生まれます。
⑶同テイストの作品を並べて飾る
同じテイストの作品を並べて飾ることで、遊び心のあるギャラリーのようなコーディネートに。
空間に対してアイテム数が多くなるので、アートと寝具、カーテンなど空間とインテリアアイテムのカラーコーディネートは同系色でまとめて統一感を出すのを意識しましょう。
寝室に絵画を飾ることで睡眠の質が向上!?
そうは言っても寝室は寝るだけだからインテリアなんてこだわれないし、アートを飾っても眺める時間なんてないよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、在宅ワークが普及する今、家の中でONとOFFを切り替えてしっかり休息をとるためにも、睡眠の質向上は重要なテーマです。
そのテーマで調査を行ったのが「こころみたす アートな暮らしを」を掲げるプラスアート推進会です。
プラスアートが2019年に実施した寝室のインテリアと睡眠の質向上に関するモニター実験では、ウェアラブル機器でのモニタリングとアンケート調査の両方を用いて、熟睡度や目覚めた時の爽快度が測定されました。
1週間ごとに内装(壁紙とカーテン)、アート、照明を変更して調査を続けた結果、実験を始める前(Before)とお部屋完成時(After)では爽快度と熟睡度ともにアップすることが分かりました。
そして、プラスアートは調査を通じて『寝室を嗜好に合ったインテリアにすることで、主観的な睡眠の熟睡感や爽快感が向上する可能性がある』と結論づけました。(今回ご紹介している実例の一部はその調査のものになります)
詳しい内容はプラスアート推進会のHPをご覧ください。(HPはこちら)
このように、睡眠の質にこだわりたい方にとっても、寝室にアートを飾ることは有効だと言えそうですね。
おわりに
寝室に好きなアートを飾ることで、いつもより少しだけ丁寧にベッドを整えたくなるかもしれません。整ったベッドはいつもより少し、寝心地が良いでしょう。
朝、起き抜けにアートを見ることで、普段より少しだけ気分が明るくなれるなら?日常のちょっとした変化は、少しずつ、でも確実にわたしたちに影響を与えてくれます。
まずは寝室に飾るためのアートを選んでみませんか?
【あなたにおすすめの記事】