花の美を描く有名な絵画作品10選|油絵や日本画など表現技法による違いについて解説
投稿日:(金)
目次
みなさんこんにちは!WASABI運営事務局のジョージです。
これまでその美しさから多くの画家に愛され、見る人を魅了してきたモチーフである「花」。インテリアにも取り入れやすいことから、アート初心者の方にも親しまれています。
そんな花の絵画ですが、花の種類や絵画の技法、表現方法によって、花の美しさや印象が異なって見えることもあります。
今回はそんな「花」を描いた有名な絵画作品を油絵と日本画に分けてご紹介するとともに、現役のアーティストが描いた花の絵もご紹介します!
花の絵・アート
花の美を描く有名な油絵の絵画作品5選
引用:クロード・モネ「菊」
油彩で描かれた花の絵画の特徴は、なんといってもその色彩の豊さです。
鮮やかな発色と、色彩の重なりや混ざり具合によって、質感や光の反射が表現され、花の存在感を高めてくれます。また、油彩のペースト状の質感で、筆触やテクスチャー表現が際立ち、花びらや葉っぱの風合いにも注目すると面白いです。
1.「ひまわり」
引用:フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》
ゴッホの代表作の一つとして知られ、世界中で愛されている「ひまわり」。
大きくて鮮やかな黄色い花を中心に、茎や葉、背景などが、ゴッホの作風の特徴でもある、強い筆触や濃厚な色彩で描かれています。
そんな「ひまわり」ですが、世界に7作品あると言われており、日本でも新宿にあるSONPO美術館で見ることができます。
2.「睡蓮」
引用:睡蓮|国立西洋美術館
モネの画業の集大成と名高い「睡蓮」は、1899年から最晩年までのおよそ30年ものあいだに200点余りの点数に及んだといわれています。このシリーズは、モネの家の裏庭にあった池に咲く睡蓮を題材としたものであり、光と水面の反射を表現することに焦点を当てた作品です。
「睡蓮」の特徴は、色彩の豊かさです。モネは、水面の反射や光の変化を捉えるために、赤や紫、黄色、緑など様々な色彩を用いています。また、色彩の重なりや混ざり合いによって、水面や睡蓮の立体感や質感を表現しています。
3.「花咲く堤、アルジャントゥイユ」
引用:花咲く堤、アルジャントゥイユ|ポーラ美術館
モネが長年制作拠点にしていたアルジャントゥイユを離れる最後に描かれた本作品。産業革命によって次第に工業化していく美しい行楽地という、産業と自然の対比が巧みに描かれています。
画面上方に水平線を置き、遠景の煙を吐き出す工場、近景のダリアの花咲く緑の茂みを手前に大きく配置する構図は、日本の浮世絵の影響を感じさせます。
4.「アネモネ」
引用:アネモネ|ポーラ美術館
アネモネは、バラやダリアと並んでルノワールが最も好んで描いた花の一つといわれています。
背景の青が画面全体を引き締めつつ、花瓶に施されたコバルトブルー植物文様とともに、赤や薄紫に彩られた花の匂い立つような華やかさをいっそう引き立てています。
5.「カーネーション、リリー、リリー、ローズ」
引用:ジョン・シンガー・サージェント
夕暮れ時の淡い光に照らされた花の咲き乱れる庭。提灯を手にした二人の少女。幻想的な美しさとノスタルジーにあふれる作品です。
細部に注目すると、日本の提灯、日本のユリが描写されていることに気づくと思います。当時のヨーロッパでは、ジャポニズムが流行っていました。サージェントは、この作品に日本文化を取り入れ、それを見事に活かしています。
花の美を描いた有名な日本画の絵画作品5選
引用:森山知己「牡丹」日本画
日本画は、線や色彩、濃淡などの手法を使い、豊かな表現力を持ちます。花の描写においても、緻密な描写や流れるようなラインなどを用いて、花の美しさを表現するのが特徴です。
また、油彩のような発色の良い鮮やかな色彩ではないものの、和紙の白さを生かした淡く透き通るような色彩で花の美と儚さを表現します。
1.「菊花流水図」
引用:動植綵絵 29 菊花流水図
静かに灯るような白菊、伸びやかな茎と後ろの流水の躍動感が見事な対比になっている作品です。
左下の苔の生えた岩肌をなぞるように咲き乱れる菊の花の色合いも非常に美しく、オレンジが良いアクセントになっています。このS字の流水表現は日本画でよく見られる構図で、次にご紹介する「紅白梅図屏風」にも通ずるものがあります。
2.「紅白梅図屏風」
引用:紅白梅図屏風をはじめとする国宝3件を同時公開。
「紅白梅図屏風」は、江戸時代の絵師・尾形光琳によって描かれた屏風の1つであり、現在は国宝に指定されています。
一枚一枚綿密に描かれた紅白の梅の花は、繊細な描線や淡い色合い、和紙の白さが生かされた屏風の背景によって、その美しさがより際立たせられています。
3.「牡丹図屏風」
引用:『牡丹図襖』 狩野山楽
「牡丹図屏風」は、江戸時代中期の絵師・狩野山楽によって描かれた屏風の1つであり、現在は重要文化財に指定されています。
この屏風に描かれた牡丹の花は、濃い赤や深い紫など、鮮やかな色合いで描かれています。花弁や蕊の部分には、金箔を使用しているため、光の加減できらめく美しさが生まれます。
4.「燕子花図屏風」
引用:国宝燕子花図屏風(根津美術館)
「燕子花図屏風」は、江戸時代の絵師・尾形光琳によって描かれた屏風の1つであり、国宝に指定されています。
金箔がふんだんに使用された屏風の背景の豪華絢爛な輝きは、描き方によっては、作品の品性を損なうことがあります。しかし、一輪一輪静謐さをまとった燕子花の佇まいが、見事に上品な作品に昇華しています。
5.「秋の七草図」
引用:Detail. Suzuki Kiitsu. 秋の七草図@鈴木其一 | 和 |
「秋の七草図」は、秋の季語を象徴する日本の七草「萩、薄、撫子、桔梗、葛、女郎花、藤袴」を描いた作品です。
伝統的な日本画の技法を用いて、白地に彩色された鮮やかな草花が描かれています。草花たちは、それぞれの個性や美しさが強調され、丁寧に描かれています。また、全体的な構図や配色も絶妙で、見る人に季節感や和の美意識を感じさせる作品です。
現役アーティストによる花の絵6選
1. Yukiyanagi|むらいさき
むらいさきの花の絵・アート
2. ブルーローズ|RABENDER.M
RABENDER.Mの花の絵・アート
3. 花と鏡 “ふうせん”|冬乃太陽
冬乃太陽の花の絵・アート
4. Dietro casa(C-#5)|&lemon
&lemonの花の絵・アート
5. Eucaplyptus flower No.145|SONORADESIGN
SONORADESIGNの花の絵・アート
6. 夏の花|SAKI OTSUKA
画像
SAKI OTSUKAの花の絵・アート
今回ご紹介した作品以外にも、WASABIでは花を描いた絵画作品を豊富に取り揃えています。10,000円以下で購入できる作品も多数あるので、特集ページからお気に入りの作品を探してみてください。
10,000円で購入できるアート作品特集ページ
花の絵画を選ぶときのポイント
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花の種類:花の種類には、ローズやチューリップ、サクラなど多くの種類があります。自分が好きな花や、部屋の雰囲気に合った花を選ぶと良いでしょう。
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花の色:花の色には、赤やピンク、黄色などがあります。部屋のインテリアや自分の好みに合わせた色を選ぶと、絵画と部屋の調和がとれます。
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サイズ:花の絵画のサイズは、壁面や部屋の広さに合わせて選ぶと良いでしょう。大きすぎると圧迫感が出てしまい、小さすぎると存在感が薄れます。
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風水の観点:風水の観点からは、飾る場所によって花の種類に気をつけると、良い気を運んできてくれます。例えば、トイレに花の絵画を飾ると悪い空気を浄化してくれます。しかし、紫陽花の絵は出会い運を乱すためNG。基本的に飾ると良いとされる花の絵画ですが、飾る場所によっては注意が必要です。
▼風水的にトイレに飾るべき絵は?色は?方角別・絵の選び方をアートのプロ解説
▼玄関に花を飾ると風水運気UP!造花やドライフラワーはNG?方角別におすすめの花を解説。
花の絵画をインテリアとして楽しむためのアイデア
1.コントラストの調和
花の絵画は、壁紙やカーテンなどの他のインテリアとの調和が必要です。花の色と壁面の色をコントラストさせ、統一感のあるインテリアにすると良いでしょう。
2.サイズのバランス
花の絵画は、サイズによって部屋の印象を変えることができます。大きな絵画は、部屋全体の印象を大きくすることができますが、小さな絵画は、細かなポイントとして部屋に取り入れることができます。
サイズが小さい花の絵画を複数枚飾るのも可愛らしくていいですね。
3.フレームの選び方
お部屋の雰囲気によってフレームを変えることも重要です。
黒いフレームはクールでシックな印象を与えますが、白いフレームは明るく清潔感のある印象を与えます。また、木製のフレームは、ナチュラルで温かみのある印象を与えます。
▼額装のやり方・額縁やマットのコーディネートについてはこちら
花の絵画を取り入れた部屋のコーディネート例
ナチュラルテイストでまとめたコーディネート
引用:ルームクリップ
ウッド調のベンチやモミの木のバスケットでナチュラルテイストに目止められたコーディネート。
絵画を置いて飾ることで、こなれ感を演出できます。生花と一緒に飾ることで、程よくグリーンが差し色になっていておしゃれですね。
統一感のあるコーディネート
引用:山口一郎と花のある暮らし
同シリーズを同じフレームで飾った統一感のあるコーディネート。
この写真では同シリーズを飾っていますが、違う絵でもサイズとフレームの種類が揃っているだけで、統一感のあるコーディネートにすることができます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「花」を描いた有名な絵画作品を油絵と日本画に分けてご紹介するとともに、花の絵画を選ぶ際のポイントやインテリアとして取り入れる際のコツも解説しました。
花の絵画はアート初心者でも飾りやすいモチーフなので、ぜひこの機会にお部屋に花の彩りを添えてみてはいかがでしょうか。
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