コンテンポラリーアートとは?【徹底解説】その歴史からジャンル、有名アーティストまで基本を抑えよう

投稿日:(水)

コンテンポラリーアートとは?【徹底解説】その歴史からジャンル、有名アーティストまで基本を抑えよう

目次

2022.6.22.

コンテンポラリーアートって?

こんにちは。WASABI運営事務局のジョージです。


あなたは「コンテンポラリーアート」や「現代アート」という言葉にどんな印象をお持ちでしょうか?


「楽しみ方がわからない」

「何がしたいかわからない」

「絵画は好きだけど、現代アートとなると難しい」

 

などマイナスなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

人は得体の知れないものに対して、恐怖や嫌悪感を抱く生き物です。
もしかしたら、コンテンポラリーアートとはどんなものかを知ることができれば印象が変わるかもしれません!


この記事であなたにコンテンポラリーアートについて知っていただき、少しでもアートを楽しむ幅を広げていただけたら幸いです。

 

革命の美術史

ソース

コンテンポラリーアートをより分かりやすくするために、まずは軽く西洋美術史を振り返ってみましょう!

まだ文字が発明されていない時代に、記録や信仰の象徴として誕生した「洞窟壁画」や「壁画」。最も古い洞窟壁画はスペインのラパシエガ洞窟、マルトラビエゾ洞窟、アルタレス洞窟の壁画で、約6万4000年前のものとされています。


聖女マリアを描いたイコン:「ウラジーミルの生神女」

その後アートはギリシャからローマへと伝わり、キリスト教が広まったことにより聖書の一部や聖人を描いた聖画(イコン)が普及します。
この頃の絵画は芸術というよりも、人々に聖書の内容を伝えるための手段としての側面が強いです。


レオナルド・ダヴィンチ:「最後の晩餐」

しかし、ルネサンスによって光と影を用いた技法や、遠近法などのこれまでとは多いく違った技法が用いられるようになったことにより、絵画は芸術としての側面を強くしていきます。


新古典主義:「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠

ルネサンス以降も

革命の様子を写真のように正確に描いた「新古典主義」

劇的にドラマチックに描く「ロマン主義」

身の回りをありのまま描いた「写実主義」

など多くの美術様式が生まれるわけですが、どの美術様式もテイストや描く場面は違えど、人物やモノをリアルの描くという描き方は一貫していました。

そんな中ある事件が起きます。

「写真」の登場です。


1844年にデービッド・オクタビウス・ヒルによって撮られた写真

写真という、いわば「写実性の極致」を手に入れられるようになったことにより、絵画がリアルである必要がなくなってしまいます。

その後、画家達は「絵画でなければ表現できないもの」を探求し、絵画の自由性が大きく広がることとなります。


ピカソ:「ゲルニカ」

その混沌の中

光と色彩を探求した「印象派」

目に見える点や線を再構築した「キュビズム」

など写実性にとらわれない美術様式が誕生し、モダンアートが築かれていきました。 

このようにコンテンポラリーアート以前の美術史は革命の連続であり、画家や批評家達は「絵画の絵画性とは何か」について常に考えさせられるようになります。 

 

コンテンポラリーアートの始まり

さて、西洋美術史に軽く触れたところで、コンテンポラリーアート誕生の上で欠かせない人物の話をしましょう。


ソース

マルセル・デュシャン。

現代アートの父と呼ばれ、今のコンテンポラリーアートの原型を作ったアーティストです。

デュシャンはこれまでの中世・近世の絵画の「目で見て楽しむアート」ではなく「精神に刺激を受けて思考を生み出すアート」を訴えました。

これまでは芸術という大きな固まりの中で

「絵画の絵画性とはなにか」

「彫刻の彫刻性とはなにか」

ということが議論されてきました。

しかし、デュシャンはその前提である「芸術か、芸術でないか」ということを問題化したことが革命的だったといえます。

そんなデュシャンの代表作が「泉」


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1917年のNYのアンデパンダン展に突如、匿名で送られてきたこの作品。見ての通り男性小便器に「R.Mutt」とサインがされているだけです。「絶対に落選しない」「街学なく展示される」ことでお馴染みのアンデパンダン展で初めて出品することが許されなかったそうです。

当時この作品がどれだけ特異なものだったかが伺えます。

確かにこの作品を見て「素晴らしい作品だ!」「すごく好きな作品だなぁ」とはなかなか思えないですよね。

むしろ「これがアートなの?」と頭に浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

しかし、それこそがデュシャンの真髄であり狙いなのです。

  

盛り上がりを見せる日本のアート市場


ソース

アート市場における日本というと、他の先進国と比べ規模も小さく、盛り上がりにかけるというイメージが強いです。

しかし!コロナ禍の巣篭もり需要、アーティスト自身のSNSでの発信力が高まったことに、日本のアート市場はかつてないほどの盛り上がりを見せています。

2022年3月に行われた「SBIアートオークション」では、最終取引金額は12億8000万円にものぼりました。

また、コロナ禍に行われた国内最大級のアート見本市である「アートフェア東京2021」では、来場者は4割減にもかかわらず過去最高益を記録しました。

 

コンテンポラリーアートはこんな人に向いている!

コンテンポラリーアートが向いている人はズバリ

 

好奇心旺盛で考えることが好きな人です!

 

前述した通り、コンテンポラリーアートは

色彩の美しさや、造形の技術など表面上の目で楽しむよりも成員に刺激を受けて思考を生み出すアートです。

もちろん、直感的・視覚的に楽しめる作品もたくさんあります!

しかし、基本的な楽しみ方としては「何をコンセプトとし、作家はこの作品で何を表現したいのか」ということを考える思考ゲームに近いです。

その際、視覚から得られる情報には限りがあるため、政治や宗教、社会情勢やカルチャーについて浅く広くでいいので知っていると楽しみの幅も広がります!

 

それを踏まえると、日常的に周りのものに対して疑問を持つような好奇心旺盛な方や、物事について自分なりに深く考えることが好きな人は、コンテンポラリーアートに向いていると言えるでしょう。

 

実は種類豊富なコンテンポラリーアート

コンセプチュアル・アート


ジョセフ・コスコース《One and three Chairs》(1965)

コンセプチュアル・アートとは、1960年代から1978年にかけてアメリカを中心に広まったアートの潮流です。

作品の美しさや技術の巧みさなどの従来の見方ではなく「作品のコンセプトやアイディア」を鑑賞者に問いかけます。デュシャンによって誕生したアートの概念でもあり、コンテンポラリーアート=コンセプチュアル・アートとも言えます。

 

ポップアート


ロイ・リキテンシュタイン《ヘアリボンの女》(1965)

ポップアートは1950年代半ばにロンドンで誕生しました。

第二次世界大戦終了後、先進諸国では工業化が進み、大量生産・大量消費の時代を迎えます。ポップアートはそんな時代背景の中で、身近な暮らしの中にあるモノをテーマにした表現活動と言えます。

 

インスタレーション


teamLab(2019)

1970年代に興ったインスタレーションは、作品を設置することで空間そのものを演出して作品とみなす手法です。展示空間そのもものが作品となっているため、作品を「鑑賞する」というよりも「体感する」に近いです。

現在では立体的なものだけでなく、映像や音楽、光やセンサーを利用したインスタレーション作品などがあり多様化がみられます。

 

スーパーフラット


村上隆《フラワー》(2002)

2000年に村上隆によって提唱されたスーパーフラットは、浮世絵などの伝統的な日本絵画と現代の漫画やアニメ的な表現を、平面性や立体感のなさ、遊戯性で結びつけた概念です。

また、日本における美術と大衆芸術の区別のなさとしての、フラットさも示しています。

 

 

抑えておきたい著名なコンテンポラリーアーティスト

アンディ・ウォーホル


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ポップアートの巨匠と評されるアンディ・ウォーホル
大量生産・大量消費を繰り返していた当時のアメリカで、派手な色彩で大量生産できるシルクスクリーンの技法を用いて、有名女優や日用品など大衆に共通するイメージを作品化しました。

アートに詳しくない人でも、キャンベルスープ缶や色鮮やかなマリリンモンローのシルクスクリーンは見たことあるという人が多いのではないでしょうか。

 

草間彌生


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水玉模様が印象的な草間彌生
幼少期から幻視や幻聴を体験し、その体験から網目模様や水玉模様をモチーフにした絵画の制作を始めます。これらの模様は彼女の代名詞にもなっており、「水玉の女王」と称されることもあります。

日本を代表するアーティストの1人です。

 

村上隆


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スーパーフラットの創始者である村上隆
東京藝術大学で初の日本画の博士号を取得しており、日本のオタク文化に影響を受けた村上は、漫画・アニメの線画と塗りと日本絵画に共通点を見出しました。

日本ではアパレルブランドとのコラボで有名なお花(フラワー)作品のイメージが強いですが、日本初の等身大フィギュアの制作など立体作品にも多く取り組んでいます。

 

バンクシー


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謎に包まれたグラッフィックアーティスト、バンクシー
年から活動を始め、もはや知らない人がいない程有名にもかかわらず、その本名や顔、年齢に至るまで明らかになっていません。

世界各地に現れ、壁面に絵を描き上げては颯爽と姿をくらます様子は、まさにテロリスト。しかし、そのラフな活動とは裏腹に「反戦」「反資本主義」などの強いメッセージ性を含んだ作品で、多くの人々の心を掴んでいます。

 

KAWS


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(××)の目のキャラクターで有名なKAWS
アニメーターの仕事をしていたこともあり、アニメや漫画などのポップカルチャーの影響を強い受けたKAWSは、既存のキャラクターをポップな色使いで自己流に変換させるスタイルで活動しています。

著作権ギリギリで、見た人に既視感を思わせる絶妙なラインを攻めています。
芸能人や著名なアーティストにもファンが多いのも特徴です。

 

 ダミアン・ハースト


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「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)」の中心的人物であるダミアン・ハースト
YBAsとは1990年代の英国で頭角を現わしたアーティストの一群を指します。

「死」を主要なテーマとし、ホルマリン漬けされた動物作品(サメ、羊、牛など)シリーズ『自然史』が代表的な作品として知られています。

またハーストを語る上で欠かせないキーワードが「金」。ハーストはビジネスでアート活動を行う芸術家として知られており、ギャラリーやディーラーを通さず直接作品をオークションに賭けて利益を得るなど、「金」に関して話題を欠きません。

 

WASABIで人気なコンテンポラリーアートを紹介!

miotokyo

水や大気の力強い流れを感じさせる大胆な筆致と、上品な指揮さきが魅力的なmiotokyo。

社会情勢や自身の内面世界などをコンセプトにするアーティストが多い中、miotokyoは「空間の理想を叶えるアート」というコンセプトで制作しています。

「飾る」ことを目的とし、徹底的に「美」を追求した彼女のアートは華美でモダン。部屋に飾れば「美」の結晶である彼女のアートが、空間をより洗練されたものにします。

>Barrymore | neuronoa

BORDERLESS - DUNE | miotokyo | ¥205,700

どこまでも広がる、無限の空と海が溶け合いキラキラと輝く瞬間、まぶしすぎてその境界線は1つになり、空と海の境目がなくなる。
そんな瞬間を表現した作品です。

私がアーティストとして表現し続けるもの 【アーティストの制作現場 Vol.01】

私がアーティストとして表現し続けるもの 【アーティストの制作現場 Vol.01】

力強いエネルギーを表現したFLOWシリーズや、上品な佇まいが特徴的なSTRATAシリーズなど、数々の人気作品を生み出しているmiotokyo。
絵を始めたきっかけからご自身の「美学」まで、たっぷりとお書きいただいております。

 

渋田薫

キャンバスで躍動するカラフルなモチーフが見る人の心を踊らす渋田薫。

音楽や自然音を表現することをコンセプトとしており、のびのびとした曲線からは、音楽や風音、草木を跨ぐ虫たちの羽音などの様々な「音」が聴こえてきます。
リビングなど人が集まる場所に飾れば、自然と会話も弾みそうです。

>Barrymore | neuronoa

Mozart K.138 | 渋田薫 | ¥41,800

曲線が織りなす様々なカラフルな図形たちがキャンバスの上で躍動しています。 モーツァルトの音楽が聞こえてきそうな優美さを感じる作品です。

 

都築崇広

日常に転がる名もなき素材達から垣間見えた物語を、絵画・写真・立体と様々なアプローチで表現する都築崇広。

家の外壁のシミや汚れは、都市や森林に。
構造や木目が特徴的な建築素材は、ビルのチラシの切り抜きとコラージュして街に。
私たちが何気なく使っているもの、眺めている景色も、視点ひとつ変えるだけで作品になり得ると考えると楽しいですよね。

>Barrymore | neuronoa

fast-woods-Aspen | 都築崇広 | ¥55,000

OSB建材の原材料であるアスペンの森の風景。早生のアスペンは紙原料のパルプにもなっていく。
さて、折り込みチラシの切り抜きで作られたアスペンの森をOSB材に織り込むと、消費される森(fast-woods)に風が吹く。

都築崇広『合板都市 Plywood City』レポート

都築崇広『合板都市 Plywood City』レポート

2020年7月2日~7月19日に、SYP Galleryにて開催された都築崇広の個展『合板都市 Plywood City』のレポートです。

  

まとめ

いかがでしたか?

 

コンテンポラリーアートは、作品に対して疑問を持つことで完成する、アーティストと鑑賞者との対話です。

 

一見、何がいいのかわからない作品でも

「なぜこの作品を作ったのだろう」

「なぜこの素材を用いたのだろう」

など作品の背景について考え、知ることによって

新たな世界へ連れていかれるような感覚を得られるのが、コンテンポラリーアート鑑賞の楽しさです。

 

ぜひこの機会にコンテンポラリーアートの世界に一歩踏み出してみてください。