アートの意味とは?現代アートについて知ることができるおすすめの本9選

投稿日:(水)

アートの意味とは?現代アートについて知ることができるおすすめの本9選

目次

2022.8.31.UPDATE

こんにちは!アーティスト/メダカとウーパールーパー飼いのにしはるです。
今回は、アートの意味について触れられる本の紹介をしていきたいと思います。


「アートについて興味があるけど、何から知ればいいのかわからない」

「おすすめの本ってどんなもの?」

「もっと知識を深めて、アートの意味について考えたい」


そんな方に向けて、MFA(美術学修士号)を取得したアーティストがおすすめの本を選んでみました!現代アートを中心に、歴史やビジネス、最新のアートなど、知りたい目的別にまとめたので、気になった本はぜひチェックしてみてください。



 アートの歴史について知る 


「アート」という言葉1つでも、そこには約4万年前の旧石器時代から遡るものになります。今のアートがどんな成り立ちでここまで来たのか?そんな疑問を持っている方にはこちらの2冊をおすすめします。

エルンスト・H・ゴンブリッチ「美術の物語」

美大生のバイブルと言っても過言ではないほど、日本のみならず海外の美術系学生が触れる本です。旧石器時代の洞窟壁画から20世紀のモダンアートまで、物語を読むようにアートの歴史に触れることができます。

この私も修士時代にお世話になった本で、膨大なアートの書籍を読む中、ゴンブリッチの優しい語り口で進んでいく文章にいつも救われていました。余談ですが、心の中ではいつも「ゴンブリッチ先生!!」と思っていました。それぐらい優しい語り口で美術の物語を知ることが出来ます。


興味を持たれた方は、ぜひ大型本で読むことをおススメします。過去に持ち歩きやすいポケット版も出版されているのですが、図版と文章の部分が分かれており、頻繁に文章と図版のページを行き来するのが大変でした。その点、大型本は文章も図版も一緒なので、見やすさ、読みやすさの観点からも大型本がおススメです。

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美術の物語

『美術の物語』は、世界でもっとも有名で広く読まれた美術書であるといっても過言ではない。原始の洞窟壁画から現代の実験的な芸術にいたるまで壮大なスケールで見通し、先史から現代までの美術史を一つの物語として捉えることができる。 その文体は率直かつシンプルで、物語をくっきりと浮かび上がらせる。「ピラミッドの時代から現代美術にまで延々とつらなる」美術史をまさに目にみえるように物語として描き出している。


 

ハル・フォスター、ロザリンド・E・クラウス他「ART SINCE 1900:図鑑 1900年以後の芸術」

ゴンブリッチの「美術の物語」は20世紀ぐらいで終わってしまうので、それだけではまだ現代まで少し遠い印象が残ります。そこから現代までの橋渡しとして、この本がおススメです。1900年から2010年頃まで幅広いアーティストや作品を網羅しており、図版やコラムなども豊富。「美術の物語」と同様に大型本なので、一度図書館で読んでみてから購入する手もありです。

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ART SINCE 1900:図鑑 1900年以後の芸術

世界最高峰の美術史家5名がアートの流れを時系列で詳説した〈アートの教科書〉待望の日本語版。英語圏を中心に絶大な影響力を誇る「オクトーバー派」。その中心メンバーである、ハル・フォスター、ロザリンド・E・クラウス、イヴ‐アラン・ボワ、ベンジャミン・H・D・ブークロー、デイヴィッド・ジョーズリットが書き下ろした渾身の美術史。世界各国で反響を呼んだ大著 “ART SINCE 1900” の全訳。


 

この2冊に目を通せば大まかにアートの歴史に触れることが出来るでしょう。どちらもボリューム満点の読み応えがある本なので、その2冊に挑戦する前にざっくりとアートの歴史を知りたい、という方はこちらのコラムがおススメです。

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コンテンポラリーアートとは?【徹底解説】その歴史からジャンル、有名アーティストまで基本を抑えよう

コンテンポラリーアートの歴史・ジャンル・有名アーティストまでを徹底解説!基本は全てこの1記事でわかります。 これまでアートに興味ある人も、そうでない人もこの記事を読めばもっとアートを楽しめるはず。

ビジネスの視点から

昨今はビジネスの世界でも、アートが注目されるようになりました。アート思考やアーティストとのコラボレーションなど、彼らが作り出す創造的な作品はイノベーションの源泉とも言えるかもしれません。

ここでは、ビジネスの視点から見たアートやアート思考、アートとお金について知れるような本を紹介します。これを読むことで、とても遠いものだと思っていたアートに対して、ほんの少し近い距離感に変わるかもしれません。


 山口周「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」

まず、日本におけるアート思考の出発点となった本。そもそもアート思考って何?アートとビジネスとの関連性について知りたい!という方にはおススメです。ベストセラー本なので、新書のみならずkindle版やオーディブル版でも配信されています。

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世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?

もはや論理的思考・MBAでは戦えない……、「直感」と「感性」の時代、組織開発・リーダー育成を専門とするコーン・フェリー・ヘイグループのパートナーによる、複雑化・不安定化したビジネス社会で勝つための画期的論考


 

尾崎哲也「現代アートとは何か」

アートとお金について知りたい人には必見の1冊。アートマーケットに関連する人物を取り上げ、複数の視点から「現代アート」について触れていくような内容です。100億円を売り上げるアート作品がどんな形で生まれるのか?この本を読むことで、まるで浮世の世界のように感じていたアートマーケットについて、少し分かるようになるかもしれません。

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現代アートとは何か

現代アートを司るのは、いったい誰なのか? 世界的企業のトップや王族などのスーパーコレクター、暗躍するギャラリスト、資本主義と微妙な距離を保つキュレーター、存在感を失いつつも反撃を試みる理論家、そして新たな世界秩序に挑むアーティストたち……。「難解」と思われがちなアート作品が目からウロコにわかりはじめるだろう。アートジャーナリズムの第一人者による、まったく新しい現代アート入門。

本だけではなかなかイメージが沸かない、逆にもっと知りたい!という方には映画「アートのお値段」もおススメです。有名なサザビーズのオークションを舞台に作品の値段が決まっていく様子をドキュメンタリー形式で見ることが出来ます。ウサギのバルーン作品で有名なジェフ・クーンズも登場しますよ。

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アートのお値段(字幕版)

2017年のニューヨーク。秋のサザビーズ・オークションまで6週間。オークショニアのカペラッツォは意欲にあふれ、有力コレクターたちもざわめきだす。迎えるオークション当日、アートの“価値”は本当に決まるのか…?

 

村上隆「芸術起業論」


日本を代表するアーティストとして名前が上がることも多い村上隆。そんな彼が、いかにしてアーティストとして成功したのか?自身の経験を元に書籍化された1冊です。一般的なビジネスマンだけでなく、駆け出しの若手アーティストにもオススメの本です。

自らの作品をどのように売っていくのか?

お金なんかに縛られず、自由に表現したい!

値段だけで評価される世界が全てじゃない!

アーティストなら誰もが立ち止まり、悩み、苦悩する場所を乗り越えた人の言葉として、この本を読んでみると、きっと背中を押してもらえるでしょう。

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芸術起業論

海外で高く評価され、作品が高額で取引される村上隆。彼が、他の日本人アーティストと大きく違ったのは、作品性の高さのみならず、欧米の芸術構造を徹底的に分析し、世界基準の戦略を立てたこと。作品をブランド化する方法、プレゼンテーションの秘訣、才能を限界まで引き出す方法……。稀代の芸術家が熱い情熱と冷静な分析をもって語る必読の芸術論。



 

 現代アートの現場から

「現代アート」と言ってもその種類は多種多様。イギリスのターナー賞受賞のアーティストから日本やアジア、アフリカについて触れたアートまで、様々な場所で発生している今日のアートの様子を知れる本を紹介します。

グレイソン・ペリー「みんなの現代アート」

ターナー賞を受賞したグレイソン・ペリーが分かりにくいと思われるアートについて、楽しくラブリーに書いた1冊。皮肉たっぷりの挿絵が記憶に残りますが、読み進めていくうちに様々な気付きを得るような本です。しかし、最初からいきなりアートについて語りだすので、アートについて何も知らない人には少し難しいかもしれません。

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みんなの現代アート

大衆の人気、権威たちの評価、マーケット論理などが渦巻く現代のアートワールドを、ターナー賞作家グレイソン・ペリーがユーモアたっぷりに御案内。アーティストとしての個人的経験を交え、またキュレーターやコレクター、画商などが動かす業界の仕組みも踏まえながら、現代アートの分かりづらさを読み解いていきます。



 

 山本浩貴「現代美術史」

「アート」と聞くと多くの人が絵画を連想するでしょう。しかし、昨今のアートはそれだけではありません。パフォーマンス、ソーシャル、関係性、ジェンダー、様々なトピックの中で生まれるアートに目を向けた1冊です。特にアートワールドの中心と言われていた欧米だけでなく、日本、アジア、アフリカの美術の歴史にも触れた興味深い内容です。


こちらも内容は少し難しい部分があると思いますが、アートと社会がどのように関わっているか?という点で興味がある方は一度手に取ってみることをおススメします。

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現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル

二〇世紀以降、「芸術」の概念を揺さぶるような作品や潮流が続々と生まれ、しばしば「現代アートは難しい」と評される。本書は、一見すると難解な現代美術について、特に第二次世界大戦後の社会との関わりから解説し、歴史のなかに意義づけていく。美術は現代の何を映し、社会に何を投げかけてきたか。欧米、日本、そしてトランスナショナルな美術史を、それぞれ主要な理論、アーティスト、作品から紡ぎ出す。

今の現代アートが知りたい! 

私が本を読んだり、作品を作る中で度々感じるのは、「アートは生き物」であることです。アートの本をどれだけ読んでも、結局は美術館や街中(最近はネットも含まれるのでしょう)などで実際に発生していることが一番最先端のアートです。何故なら、本は実際に発表された作品や出来事を文章にして出版するまでにタイムラグがあるからです。


だからこそ、今の現代アートが知りたい人はぜひ、今日展示している美術館やギャラリーに行って、作品を見てみてください。そしてその中から気になったアーティスト、作品、トピックについて調べてみるといいかもしれません。


しかし、そうは言っても多少は下準備をしたいもの。そこで、ここからはまさに今、話題になっているようなアーティストを知れる本を紹介します。


日本の現代アート名鑑100 

日本で活躍するアーティスト(及び団体)100組を紹介した1冊。22年4月出版なので、情報としても新しいです。今年開催予定の展示も取り上げられているので、気になっている美術館の展示の下調べにもなるかもしれません。ぜひ、ここからお気に入りのアーティストを見付けてみてください。


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日本の現代アート名鑑100

日本が世界に誇る現代美術作家が集結した『STARS展』や『Chim↑Pom展』が活況を呈する一方、オークションやNFTなどのマーケットも新しい世代を巻き込んで大きな賑わいを見せています。現代アートはもはや、建築、デザイン、ファッション、食と同じく、豊かな暮らしに必要な教養のひとつ。そこで、巨匠から若手まで、今、知っておくべき日本の現代美術作家100組をまとめました!



美術手帳

日本におけるアート系の雑誌と言えば多くの人が「美術手帳」と言うでしょう。隔月刊の雑誌なので、最新の情報や話題を知るには持ってこいの1冊です。毎回、1つのテーマについてしっかりと取り上げているので、最新号でなくても気になるテーマを取り扱っている時のものを見ても、しっかりと楽しめるものになっています。

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美術手帖2022年7月号

特集:Gerhard Richter ゲルハルト・リヒター。

本特集では、リヒターの60年にわたる画業の到達点《ビルケナウ》に焦点を当て、2つの論考と「アーティストブック」を通して、作品を読み解くとともにリヒターの思索の軌跡を辿った。


特にNFTについて知りたい人は21年12月号の特集がおススメです。
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美術手帖 2021年 12月号

特集「NFTアート」ってなんなんだ?!

本特集では、そのNFTを活用したデジタル・アート=NFTアートと、それを支えるコミュニティの実態を取り上げる。それらは既存のアート界とはまったく別の「新たなアートの生態系」と呼べるものだ。「NFTアート」とは何か? いったいそこでは何が起きているのか? 既存の美術界との関係はどうなるのか? その価値と可能性を考えたい。


 

アートの世界はすぐそばにある

いかがでしたか?今回は様々な種類のアート本についてご紹介しました。


何だか難しそうなものばかり…

ちょっと気が引けちゃう…


という方も多いかもしれません。そんな方は、一度美術館などに足を運んでみましょう。そして、そこから気になった作家や話題について取り上げている本を読んでみることをおススメします。

「アートは生き物」。どんな本に書かれていることよりも、皆さんそれぞれが体験したことが一番のアート体験です。それらをより豊かに、広げていきたいと思った時に、今日紹介した本が役に立てば嬉しいです。


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