おすすめアート映画11選。名作から現代アートのドキュメンタリー、Netflixの話題作まで紹介。
投稿日:(金)
目次
気分転換や新しい発見が欲しい時に!おすすめアート映画の紹介
凍えるような寒い日はコタツの中でゆっくり過ごす…そんな贅沢な時間を楽しみたいですよね。
今回はそんなお家タイムにおすすめなアート映画をご紹介します。美術の最前線を走る作家の映画から、気軽に見れるNetflixの映像まで、おすすめ作品をアーティストが選びました。
アートの前線を走る作家の映画2選
せっかく映画をみるのだから、いつもと違うものを見てみたい、と感じる方におすすめなのは作家が作った映画です。映画としてのクオリティが高いことは勿論ですが、作家によっては「イメージとは何か?」という根本的な問題にも着目しています。
時には固定概念さえも覆してしまいそうになる、そんな作家たちの力作をここでは紹介します。
人類が作り出したイメージの歴史を辿る ジャン=リュック・ゴダール「イメージの本」
ソース
2022年の9月に亡くなったヌーベルバーグの巨匠ジャン=リュック・ゴダール。フランスの映画監督である彼の映画は大胆なカット割りや編集が特徴的です。
2018年に制作された「イメージの本」は、暴力や戦争に満ちた世界への怒りを、歴史的な数々の絵画や映画、文章、音楽で構成した作品です。この作品は2018年・第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、「スペシャル・パルムドール」を受賞しました。
人類がたどってきたアーカイブの断片を中心としたコラージュのような作品に、彩り豊かな海辺の映像などが加わります。過去に生み出してきた様々な表象を振り返りながら、現代の私たちは何を考えるのか?大量の情報にいい意味で頭の中が混乱する作品です。
製作年 |
2018年 |
原題 |
Le livre d'image |
配給 | コムストック・グループ |
作品URL | Amazon |
穏やかに生死観を問う アピチャートポン・ウィーラセータクン「ブンミおじさんの森」
ソース
2010年に公開された「ブンミおじさんの森」はタイの森や洞窟を舞台とした穏やかな映画作品です。2010年5月、第63回カンヌ国際映画祭にてパルムドールを受賞したこの映画は、西洋的な生と死の眼差しを越えて、今までにない東洋的なエッセンスを用いた一作です。
熱帯の自然の中で広がっていく、人間の生死についての問いを、ささやかに考えさせてくれるような作品です。
製作年 |
2010年製作 |
原題 |
Uncle Boonmee Who Can Recall His Past Lives |
配給 | ムヴィオラ |
作品URL | Amazon |
Netflixで見るアート系映像作品3選
普段から家で映画やドラマをよく見るという方は、既にNetflixに加入されている場合もあるでしょう。そこで、ここからはNetflixで見られるアート系作品をご紹介します。
Netflixならではのシリーズ物の作品が多いので、毎日少しずつ見ることも可能ですよ。
20世紀の巨匠に迫る!?「アンディ・ウォーホル・ダイアリーズ」
ソース
1968年に銃撃された後、日々の出来事や心情を日記の形で記録し始めたアンディ・ウォーホル。その日記を元に、現代アートに大きな影響を与えたウォーホルの素顔に迫ったドキュメンタリー番組です。
アメリカのポップアートの巨匠とも言える彼の人生を、今よりも深く知れる作品と言えるでしょう。
作品URL:Netflix
とにかくおしゃれを補給したい人に「アート・オブ・デザイン」
ソース
アーティストだけでなく、現代で活躍する建築家や衣装デザイナー、書体デザイナーの仕事の様子を追ったドキュメンタリー作品です。
様々な方面で活躍するデザイナー達をおしゃれな映像と一緒に楽しめる作品です。とにかくおしゃれを補給したい人にはピッタリな作品でしょう。
作品URL:Netflix
未知の世界観を浴びまくれる、やばいアニメ「ミッドナイト・ゴスペル」
ソース
クランシーという主人公がシミュレーターを使って、宇宙にある様々な世界をまわり、トリップ先で生死観や宗教、哲学についてインタビューするアニメです。
巷では観る覚せい剤と言われているアニメで、トリップ先がどこも世紀末感が溢れている状況という、一言で言うとやばいアニメ。家のPCのようなものから様々な世界にトリップしていくため、どこかコロナ禍の世界を彷彿とさせるような世界観も特徴的です。
アニメと言えど、どんどん人が死んでいくので、ご飯前ご飯中には鑑賞しないことを個人的にはおすすめします。
作品URL:Netflix
アートの裏側に迫る!?ドキュメンタリー映画6選
今日のアートを動かしているアーティスト達。彼らがどんな形で作品を作り、発表しているのか?ドキュメンタリー映画ではそんな有名作家たちの裏側に迫ります。
草木の呼吸をクレマンの哲学と一緒に感じる「動いている庭」
ソース
フランスの庭師であるジル・クレマンを取り上げたドキュメンタリー映画です。彼の言葉である「できるだけあわせて、なるべく逆らわない」を元に作り上げられる庭の様子をゆったりと見れる作品です。
本作ではクレマンが日本に来日した時の様子も収録されており、クレマンから見た日本庭園についての話も興味深いものです。
製作年 |
2016年 |
原題 |
THE GARDEN IN MOVEMENT |
配給 | ボタニカルスタジオ |
作品URL | http://garden-in-movement.com/ |
アートと社会の関係性を強いメッセージと共に伝える「アイ・ウェイウェイは謝らない」
ソース
2008年の北京オリンピック時に建設された鳥の巣スタジアムのクリエイターのひとりである艾未未(アイ・ウェイウェイ)。
中国で一定の評価を得ていた彼でしたが、2008年5月の四川大地震における校舎倒壊と五千人以上の学童の死についての調査をしたことで、中国政府と対立してしまう状態となりました。映画では、彼の自らの意思を貫く姿勢と困難な状況を切り抜けていく行動力が作中では描かれています。
作中では彼のロックな行動の数々に何度も度肝を抜かれるような作品です。
製作年 |
2012年 |
原題 |
Ai Weiwei: Never Sorry |
配給 | キノフィルムズ |
作品URL | Amazon |
一枚の絵がどのように価値づけされるのか?「アートのお値段」
ソース
2017年のニューヨーク、サザビーズ・オークションを舞台としたドキュメンタリー映画です。オークションまでの6週間、アーティストやキュレーター、コレクターなどと言ったアートマーケットを動かす人々の様子が描かれています。
浮世話のように思われてしまうアートマーケットの世界に密着し、様々な人物から多方面にわたってリサーチが行われた一作です。
一枚の絵がどのように価値づけされるのか?様々な人の手によって絵画に値段が着く瞬間は必見です。
製作年 |
2018年 |
原題 |
The Price of Everything |
配給 | ユーロスペース |
作品URL | Amazon |
カボチャがどうして水玉模様なのか?草間の人生観から紐解いていく「草間彌生∞INFINITY」
ソース
日本では誰もが知る有名な草間彌生を追ったドキュメンタリー映画。
彼女の人生において直面した男女格差、人種差別、競争など…。いくつもの困難を乗り越えてきた彼女の人生観を知れる作品です。「かわいい」とよく言われる草間彌生のカボチャの作品も、これを見れば作品の見方が変わるかもしれません。
製作年 |
2018年 |
原題 |
Kusama: Infinity |
配給 | パルコ |
作品URL | Amazon |
不思議な力を宿す作品制作の裏側「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」
ソース
豊島美術館にある「母型」で有名な内藤礼のドキュメンタリー映画。
体験した者に静かな驚きと歓びをもたらす作品の秘訣を2年にわたって取材をした一作です。目に見えない言葉にしえない、不思議な力を秘めた彼女の作品だからこそ、取材中におこったアクシデントも興味深いシーンとして印象に残ります。
製作年 |
2015年 |
配給 | テレビマンユニオン |
作品URL | Amazon |
巨大プロジェクトの実現を目指せ!「クリスト ウォーキング・オン・ウォーター」
ソース
建物を布に包む作品によって、人々を驚かせてきたクリスト。この作品は2016年にイタリアのイゼオ湖で実現した「The Floating Piers"(浮かぶ桟橋)」に密着したドキュメンタリー映画です。
湖上に敷かれた巨大な布の上を人々が歩く作品の実現を目指し、クリストや周辺のスタッフが奔走する様子が描かれています。
製作年 |
2018年 |
原題 |
Christo: Walking on Water |
配給 | アイ・ヴィー・シー |
作品URL | Amazon |
まとめ
いかがでしたか?今回は現代アートを中心とした映画作品の紹介でした。同じ時代を生きるアーティストがどんな視点で世界を見つめ、困難を乗り越えたのか?
映画を通じて、そんなアーティストのエッセンスを見付けられると、より豊かな鑑賞体験になるでしょう。
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