【賃貸OK】壁に穴を開けずに絵を飾る4つの方法とは？おすすめグッズや飾り方の手順をわかりやすく解説
投稿日：（木）
目次
「賃貸だから壁に穴を開けたくない」「気軽にアートを飾る場所を変えたいけれど、壁に傷をつけるのが怖い」と悩んでいる方は少なくありません。
せっかく手に入れた絵画も、壁の心配から飾れないままではもったいないですよね。
そこで今回は、賃貸住宅でも安心して実践できる「壁に穴を開けずに絵を飾る方法」を、4つご紹介します。
具体的なツールと手順、それぞれの方法で飾れる絵の重さについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
壁に飾りたい ユニークな形の作品
賃貸物件の原状回復費とは
出典:Adobe Stock
まずは、万が一壁に傷をつけてしまった場合の対応について解説します。
賃貸物件を退去する際、入居者が物件を借りた当時の状態に戻す義務を「原状回復義務」と呼び、これにかかる費用が「原状回復費」です。
国土交通省のガイドラインに基づき、通常使用による損耗や経年劣化（日焼けや家具の設置跡など）は大家さん側の負担となります。
しかし、入居者の不注意や意図的な行為でついた傷や汚れは、入居者側の負担となり修繕費を請求されます。
壁に穴を開けた場合のリスク
出典:Adobe Stock
原状回復義務において、最も問題になりやすいのが壁の穴です。
画鋲やピンで開けた程度の小さな穴は、多くのケースで通常の損耗として扱われ、請求対象外となる傾向があります。
一方、釘やビス、大きめのフックなどで下地ボードまで貫通するような大きな穴を開けてしまった場合、高額請求のリスクが高まります。
壁紙の部分的な補修だけでなく、壁一面の張り替え費用、さらには下地ボードの交換費用が発生する可能性があるためです。
この高額な原状回復費のリスクを避けるためにも、「壁に穴を開けない」飾り方を選ぶことが、賃貸物件でアートを楽しむための大前提となります。
壁に穴を開けずに絵を飾る4つの方法
ここからは、壁に穴を開けずにアートを飾れるアイテムと、具体的な手順をご紹介します。
今回ご紹介するアイテム
① ひっつき虫
② 粘着フック（カレンダー用）
③ 粘着フック（ひもタイプ用）
④ マジックテープ
(1) 壁に穴を開けずに絵を飾る方法【ひっつき虫】
| 耐荷重 | 取り付けられる壁 | 適さない壁 |
|---|---|---|
| 200g程度 | 凸凹がない壁 | ざらざらした壁、湿り・汚れがある壁、繊維 |
「ひっつき虫」は、粘土のような柔らかい接着剤で、今回ご紹介する方法の中で最も手軽に飾ることができるアイテムです。
耐荷重は200g程度と軽いため、厚みの少ないアートや、小さなキャンバス作品（0号～3号程度）を飾るのに適しています。
飾り方と手順
① 下準備
ひっつき虫を4つちぎり、粘土のように丸めます。
② 接着
丸めたひっつき虫をアート作品の四隅に指で押し広げるようにして貼り付けます。作品の面積が大きくて不安な場合は、接着剤の数を増やせば問題ありません。
③ 固定
飾りたい場所に絵を置き、絵に対して30秒ほど力を加えて押し付ければ完成です。
＜剥がし方＞
急に剥がすと壁や絵を傷付ける可能性があるため、端からゆっくり剥がしましょう。
(2) 壁に穴を開けずに絵を飾る方法【粘着フック（カレンダー用）】
| 耐荷重 | 取り付けられる壁 | 適さない壁 |
|---|---|---|
| 500g程度 | 凸凹がない壁（板壁、ステンレス、タイル、ガラス、プラスチックなど） | 凸凹がある壁、壁紙、土壁、砂壁、天然大理石など |
粘着フックは、耐荷重が500g程度に上がり、比較的軽量な額縁や、キャンバス作品の飾り付けに適しています。
今回は「3M コマンドフック カレンダー用」を使用しますが、フックを2つ使うことでキャンバス作品もバランス良く飾ることができます。
飾り方と手順
① 間隔の決定
キャンバスの裏側、上部左右の隅にフックをかけ、その間隔を定規で測ります。
たとえば間隔が12cmだった場合、壁のフック同士の幅も12cm以内になるようにすることがポイントです。
② フックの貼り付け
間隔を守りながらフックを壁に貼り付け、しっかりと接着させます。
③ 飾り付け
キャンバスの裏木枠をフックに引っ掛けます。フックの位置が左右で均等になるようにバランスを取るのが、美しく飾るためのコツです。
＜剥がし方＞
フックの上部を抑えながら、フックの下からはみ出ているタブを壁に沿ってゆっくりと引っ張ります。
粘着部分がフックからスルッと抜けて、壁を傷付けずに剥がすことができます。
このときタブを斜めに引っ張ると途中で切れてしまうため、必ず真っ直ぐ引っ張りましょう。
(3) 壁に穴を開けずに絵を飾る方法【粘着フック（ひもタイプ用）】
| 耐荷重 | 取り付けられる壁 | 適さない壁 |
|---|---|---|
| 800g程度 | 凸凹がある塩ビ製壁紙 | 紙製、布製など塩ビ以外の壁紙 |
「3M コマンドフック 壁紙用 フォトフレーム ひもタイプ用」は、耐荷重が800gと強度が高く、額縁のようにひもを使って吊るす作品に適しています。
何より、賃貸物件に多い凸凹した塩ビ製壁紙にも貼れるのが大きな特長です。
飾り方と手順
① 保護シートの貼り付け
開封すると、フック本体と壁紙保護シートが入っています。まず、保護シートの「3M」と書かれたタブが下に来るように壁に貼ります。シート全体を指で擦るように貼り、壁との密着性を高めましょう。
② フックの貼り付け
保護シートの赤い面をはがして粘着面を出したら、フックの下部から「3M」と書かれたタブがはみ出るようにフックを貼り付けます。フックを接着させたら、30秒ほど強く押し付けるのがポイントです。
③ 飾り付け
フックの接着が終わったら、あとは額縁のひもをかければ完成です。
ひもの結び目がフックにかかってしまうと不安定になるので、中心からずらして結ぶようにしましょう。
＜剥がし方＞
フックの上部を抑えながら、下のタブを引っ張って剥がします。
サイズが大きく、粘着テープがかなり伸びるので、剥がすときは下に物がないか確認してからにしましょう。最後に保護シートをはがしたら完了です。
(4) 壁に穴を開けずに絵を飾る方法【マジックテープ】
| 耐荷重 | 取り付けられる壁 | 適さない壁 |
|---|---|---|
| 1kg程度 | 凸凹がない壁（板壁、ステンレス、タイル、ガラス、プラスチックなど） | 凸凹がある壁、壁紙、土壁、砂壁、天然大理石など |
「3M コマンド ファスナーMサイズ 」は、耐荷重が1kg程度と強力なマジックテープ（面ファスナー）です。壁と絵にタブを接着し、それらを組み合わせることによって飾ります。
粘着力が強いため壁紙には直接使用できませんが、マスキングテープを併用すれば壁や絵を傷付けずに飾ることができます。
飾り方と手順
① ファスナーの準備
ファスナーのタブ2枚をカチッと音がするまでしっかり組み合わせます。
小さいサイズなら2組、1辺25cm以上の作品の場合は4組にすると飾ったときに安定します。
② 作品側の準備
絵が傷付くのを防ぐため、キャンバス裏にマスキングテープを貼り、その上からファスナータブを貼ります。マスキングテープは接着面よりも少し大きめにカットしましょう。
③ 壁側の準備（裏技と位置決め）
本来は定規で正確な位置を測る必要がありますが、作業を簡単にする裏技として「ひっつき虫」（なければ輪っかにしたセロハンテープ）を使うのがおすすめです。
この裏技の手順は以下の通りです。
1. 印付けツールの準備：
壁側のマジックテープ（メス側）の上に「ひっつき虫」を接着します。
2. 粘着面の確保：
「ひっつき虫」のさらに上から、接着面を上にした輪っか状のマスキングテープを貼ります。
3. 位置決め：
この状態の絵を壁に押し当てると、マジックテープを貼るべき正確な位置が壁にマークされます。
これにより、面倒な定規での測定作業を省き、位置を決めることができます。
④ 固定
ファスナータブの緑色の面を剥がして接着面を出したら、壁のマスキングテープに合わせて接着します。30秒ほど押すように力を加えたら完成です。
＜剥がし方＞
マスキングテープごとそのまま壁から剥がすだけでOKです。壁も絵も傷つかないので安心して使うことができます。
【ツール別】飾れる絵の重さは？
出典:Adobe Stock
安全に作品を飾るためには、必ずアートの重さが使用ツールの耐荷重を下回っていることを確認してください。重さに余裕を持たせることで、落下のリスクを減らせます。
ツール別耐荷重一覧
| ツール名 | 耐荷重（目安） |
|---|---|
| ひっつき虫 | 200g程度 |
| 粘着フック（カレンダー用） | 500g程度 |
| 粘着フック（ひもタイプ） | 800g程度 |
| マジックテープ | 1kg程度 |
キャンバス作品の重さ目安
アート作品の重さは販売サイトで公表されていない場合もあるため、特にキャンバス作品については、その号数（サイズ）からある程度の重さを推測することが可能です。
以下の表を参考に、安全に飾れる作品を選んでください。
| 号数 | 一辺の最大値（mm） | 重さの目安（g） |
|---|---|---|
| 0号 | 180mm | 112g |
| 3号 | 273mm | 204g |
| 4号 | 333mm | 590g |
| 6号 | 410mm | 345g |
| 8号 | 455mm | 340g |
| 10号 | 530mm | 499g |
| 12号 | 606mm | 780g |
| 15号 | 652mm | 812g |
※絵具の重さにより多少前後します
キャンバスの一辺の最大値がわかれば、ある程度重さを求めることができるので、購入する際はぜひ参考にしてください。
例えば耐荷重500gのフックを使う場合、10号サイズ（約500g）のキャンバスは飾れる目安となりますが、安全を重視するなら8号以下の作品を選ぶのがおすすめです。
重さ200g以下の作品
重さ300g程度の作品
重さ500g程度の作品
アートのご相談は無料LINEカウンセリングで
「飾り方のコツはわかったけれど、自分の部屋に合う絵のサイズや色がわからない」「どれくらいの重さの絵を選べばいいか不安」というときは、アートのプロに相談するのがおすすめです。
WASABIでは、無料でアートの配置シュミレーションサービスを行っています。
公式LINEでお部屋の写真を送っていただくと、合成画像つきでアートのご提案ができます。
お部屋にぴったり合う作品選びをサポートしますので、ぜひお気軽にご利用ください。
まとめ
出典:Adobe Stock
今回は、壁に穴を開けずに絵を飾る方法をご紹介しました。
各アイテムの特性と飾る手順、そして飾れる重さの目安を知ることで、賃貸でも安心してアートを選ぶことができます。
ぜひお部屋にお気に入りの作品を飾って、アートのある暮らしを楽しんでみてください。
Q&A
最後に、賃貸物件で絵を飾る際によくある質問をまとめました。ぜひ参考にしてください。
Q. 賃貸でも絵は飾れる？
A. 賃貸物件でも絵は飾ることができます。ただし、契約書によっては壁に穴を開けることを禁止している場合があります。
その際は、本記事でご紹介した壁に穴を開けない方法を使用するか、賃貸契約書で定められた方法で飾る必要があります。入居前にルールをよく確認することが大切です。
Q. 壁に穴を開けずに絵を飾る方法って？
A. 壁に穴を開けずに絵を飾る方法は、主に以下の4つが挙げられます。お部屋の環境に合わせて選んでみてください。
1. 壁に貼れる両面テープや粘着性の強い素材（マジックテープやひっつき虫）を使って、壁面に直接貼り付ける。
2. 壁に傷をつけないフック（コマンドフックなどの粘着フック）を使用する。
3. 額縁を壁や家具の上に立てかけて置く。
4. 自立するフォトフレームやイーゼルを使用する。
Q. 賃貸におすすめのアートは？
A. 賃貸におすすめのアートは、本記事で紹介したように「軽さ」が重要です。
具体的には、ポスター、写真の額装品、厚みが薄いパネル作品、小さなキャンバスアート（10号以下）などの軽量な作品が適しています。
また、飾り棚やディスプレイラックに飾るオブジェや陶器なども、壁に穴を開けずに楽しめるアートとして人気があります。
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