ゴッホの隠れた傑作「種をまく人」作品から見えるミレーの影響とは?

投稿日:(月)

種をまく人

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こんにちは。WASABI運営事務局のジョージです。

ゴッホの傑作は?と聞かれて《ひまわり》や《星月夜》を答える方は多いと思われます。

しかし、それらと引けを取らない隠れた傑作があることはご存知でしょうか?

今回は、あまり知られていないゴッホの傑作《種をまく人》を徹底解説します。

隠れた傑作「種をまく人」

種をまく人フィンセント・ファン・ゴッホ《種をまく人》1888年

1888年、ゴッホが敬愛する「ジャン=フランソワ・ミレー」による《種まく人》の模写から生まれた《種をまく人》。

大地を踏みしめ、大きく手を振って、種をまく男の姿を画面いっぱいに取り上げた一枚。絵画全体を満たす眩い太陽の光に、思わず息を呑んでしまいます。

ミレーと同じ主題を描いているにもかかわらず、印象は真逆。ミレーの暗く陰鬱な雰囲気に対して、ゴッホの《種をまく人》は明るく生命の喜びに満ち満ちしているような印象を受けます。

この時点ですでに傑作であるのですが、実はこの作品、ゴッホの画家としての人生そのものといっても過言ではないのです。

ここからは、《種まく人》の魅力を語る上で欠かせないキーワードである「ミレー」「農民」「太陽」について、ゴッホの画家としての歩みを振り返りながら解説します。

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ゴッホの心の師「ミレー」

種をまく人
ジャン=フランソワ・ミレー《落穂拾い》1857年

ゴッホが画家になる決意を固めたのは27歳の時。

気性が荒く、感情の浮き沈みが激しいゴッホは、書店員や画商、伝道師など、様々な職を志しては挫折を繰り返してきました。そんな彼にとって、これは最後の賭けでした。

後がないゴッホは、色彩理論やデッサンの技法書に没頭し、その挿絵や過去の偉大な巨匠たちの複製画を自身ならではのやり方で模写し、絵画の基礎を習得していくのです。

その中で、ゴッホにとって「心の師」とも言うべき存在にまでなったのが、ミレーでした。

「農民」に惚れ込んだオランダ時代

種をまく人
フィンセント・ファン・ゴッホ  左)《耕す人》1883年|右)《刈る人》1885年

模写を通じて人物描写について学び、また伝記を読んで、「敬虔で勤勉、清貧に生きた農民画家」という、ある程度の誇張と脚色の入ったミレーの姿に魅了されていきました。

1881年、ハーグに移住したゴッホは、地元の農民たちをモデルにデッサンを重ね、水彩や油彩の習作にも挑戦していきます。

アルルの「太陽」に魅入られて

種をまく人
フィンセント・ファン・ゴッホ《夕暮れの刈り込まれた柳》1888年

1888年2月に移り住んだ南フランスのアルルにおいて、「色彩画家」としての才能が本格的に開花したゴッホ。

この頃になると、ゴッホの作品にはあるモチーフが頻繁に出てくるようになります。

それがアルルの「太陽」。明るく辺りを照らし、生命を育み、そして色彩をより鮮やかに輝かせる―――まさに「神」にも近い存在。ゴッホは、太陽に「信仰」にも似た思いを抱くまでになります。

ミレー「種まく人」への挑戦

種をまく人
左)ミレー作《種まく人》1850年 右)ゴッホ作《種まく人 素描》1881年

かつて聖職者を志していたころに憧れた「神の言葉を種まく人」に、ミレーの《種まく人》を重ねていたゴッホは、ミレーの〈種まく人〉を、自分なりのやり方で、色彩でもって描こうとしていました。

そのヒントを、すでにゴッホはアルルで得ていました。

一つはゴッホがアルルで使いこなす術を磨いた「強烈な明るい色彩」。二つめは、ゴッホにとって神にも等しい「アルルの太陽」です。

これら二つの要素を盛り込み、ついに6月、ゴッホは『種まく人』に取り組みます。

魂の集大成「種をまく人」

種をまく人
フィンセント・ファン・ゴッホ《種をまく人》1888年

それほど大きく描かれていないにも関わらず圧倒的な存在感を放つ太陽と、遠くで黄金色に輝く麦畑、
そして手前に青々と広がる生き生きとした麦畑。
どこに焦点を当てて見ても、"ゴッホの魂がそこにある"と感じます。

そう感じるのは、この絵の中で力強い生命力の大合唱が起きているから。
この溢れんばかりの生命力は、色彩の鮮やかさからももちろん感じられますが、筆触の力強さにこそ表れていると思います。

「ミレー」に憧れ、「農民」の姿に惚れ込み、「太陽」に魅入られた、まさにゴッホの画家としての人生そのものといえる作品ではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、ゴッホの隠れた傑作《種をまく人》をゴッホの画家としての人生を振り返りながら解説しました。

 

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