ポップアートとは?その成り立ちや有名アーティストの代表作までわかりやすく解説

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ポップアート

目次

 

ポップアートとは?

ポップアート
引用:Pinterest

ポップアートとは、1950年代にイギリスで生まれた芸術運動で、その後アメリカと世界中に広がりました​​。

この運動は、日常生活の中の商品や大衆文化を芸術の題材に取り入れることにより、従来の芸術表現を革新しました。

当時の芸術界は主に自然の風景や人物像をモチーフにしていましたが、ポップアートはこの伝統を打破し、日常のリアルな生活や社会を芸術の中に取り込んだ点で画期的でした​​。

そのアカデミックなスタイルを打破する革新性は、印象派の成り立ちに近いものを感じます。

ポップアートが生まれた背景

ポップアート
引用:Pinterest

ポップアートはまた、パリからニューヨークへ芸術の中心が移動するきっかけとなり、歴史的な意味を持つ芸術運動としても位置づけられています​​。

この時代は大量生産・大量消費が普及し、人々がテレビCMなどのメディアに曝され、より良い生活を求めて商品を大量に消費する時代でした。ポップアートは、このような日常の現実をモチーフにして表現しようと試みました​​​​。

実はポップアートは「イギリス」生まれ

ポップアート

ポップアートというと、アンディ・ウォーホルのイメージが強烈なため、アメリカ発祥と思われがちですが、実はその語が初めて使われたのは1956年のイギリスでした。

ポップアートという用語は、第二次世界大戦後にアメリカで隆盛を極めた大衆文化や商業芸術を指す言葉として、イギリスの批評家によって生み出されました。

「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」

ポップアート
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この言葉を受けて、当時30代で新進気鋭だった画家リチャード・ハミルトンが制作したコラージュ作品『いったい何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力的にしているのか』は、マッチョな男性、ヌードの女性、電化製品を用いて、消費社会における大衆の欲望を表現しました。

この作品が、歴史上初めてのポップアート作品とされており、男性が持っている「POP」と書かれたキャンディーが、「ポップアート」という名前を広めるのに一役買いました。

 

ポップアートを代表するアーティスト

 

ジャスパー・ジョーンズ

ポップアート
引用:Pinterest

ジャスパー・ジョーンズは1930年生まれのアメリカの画家で、抽象表現主義からネオ・ダダ、ポップアートへの遷移期に重要な役割を果たしました。

彼の作品は、旗や地図などのアメリカの象徴を題材にし、抽象表現主義と客観的イメージの間の境界を模索します。現代アートの世界において高い評価を受けています。ジョーンズは、アート界のアウトサイダーとしての立場を利用して、伝統的な芸術観に挑戦し続けました。

target with four faces(1955)

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Three Flags(1958)

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アンディ・ウォーホル

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アンディ・ウォーホル(1928-1987)は、アメリカのポップアートの代表的な画家です。ペンシルベニア州ピッツバーグで生まれ、ニューヨークで活動しました。

彼の作品は、マスメディアや広告文化に根ざし、日常的なコマーシャルイメージを芸術の領域に持ち込んだことで知られています。

技法は、1つの版から何枚も刷ることができる「シルクスクリーン」を採用。自身のアトリエを「工場(ファクトリー)」と呼び、工場のように大量生産して販売。作品を制作する行為すらもアートとしました。

32のキャンベルスープの缶(1962)

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マリリン・モンロー(1962)

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ロイ・リキテンスタイン

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ロイ・リキテンスタイン(1923-1997)は、アメリカのポップアート運動を代表する画家です。彼はニューヨークで生まれ、オハイオ州立大学で美術を学びました。

リキテンスタインの作品は、漫画のイメージや商業広告のスタイルを大胆に取り入れ、ベン・デイ・ドット(小さなドットの集合による色彩表現)や鮮やかな色彩、黒い輪郭線を特徴とする手法で知られています。

彼の代表作には「泣く女」や「沈む太陽」があり、これらの作品では日常的なイメージをアイロニカルかつユーモラスに描き出しています。

泣く女(1964)

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Look Mickey(1961年)

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引用:Wikiart

日本の有名なポップアート作家

田名網敬一

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田名網敬一は、1936年生まれの日本のポップアート作家です。東京藝術大学で学び、第二次世界大戦後の日本の急速な西洋化と経済成長の中で芸術家としてのキャリアをスタートさせました。

彼の作品は、戦後のアメリカ文化の影響を受けつつも、日本独自の要素を取り入れたスタイルを展開しています。

田名網のアートは、日本のアニメやマンガ、さらには伝統的な浮世絵の影響を受けたポップアートとして国内外で評価されており、戦後日本の文化とアイデンティティの変化を反映しています。

個展「壺中天」にて(2009)

ポップアート

個展「壺中天」にて(2009)

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横尾忠則

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横尾忠則は、1936年生まれの日本を代表するポップアート作家の一人です。彼は多摩美術大学で学び、その後、グラフィックデザイナー、イラストレーター、画家として活躍しました。

横尾の作品は、鮮やかな色使いと幻想的なイメージが特徴で、日本の伝統文化と西洋のポップカルチャーを融合させた独自のスタイルを展開しています。

彼はまた、戦後の日本社会の変遷を反映した作品を多く制作し、国内外で高い評価を受けています。

TADANORI YOKOO(1965)

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横尾忠則 × GUCCI(2020)

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村上隆

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村上隆は、1962年生まれの日本を代表する現代アーティストで、ポップアートの影響を強く受けた作風で知られています。東京藝術大学で日本画を学んだ後、1990年代に独自のスタイル「スーパーフラット」を確立しました。

彼の作品は、日本のアニメやマンガの要素を取り入れつつ、消費文化や大衆文化の批評を織り交ぜたものです。

村上はまた、アートと商業の境界を曖昧にする活動でも知られ、ルイ・ヴィトンなどのブランドとのコラボレーションで大きな話題を呼びました。

フラワー(2002)

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まとめ

いかがでしたか。

今回は、ポップアートが誕生した背景、ポップアートを代表する有名アーティストをご紹介しました。

ポップアートは、アートと日常生活の境界を曖昧にし、大衆文化を新たな視点で捉えることで芸術界に革命をもたらしました。

日本を含む世界中でその影響は今も続いています。

 

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