「切りっぱなしで裏表がない」注染の手ぬぐいとは? 創業145年、日本橋戸田屋商店にお邪魔してみた!

by WASABI運営事務局

2017.1.26

アート探訪

「切りっぱなしで裏表がない」注染の手ぬぐいとは?
創業145年、日本橋戸田屋商店にお邪魔してみた!

WASABI責任者 平山 美聡

手ぬぐいっていったいなんだ?

最近またブームになってきた「手ぬぐい」ですが、「手ぬぐい」って何をもって「手ぬぐい」というのでしょう。 そしてどうやって使うのでしょう。


ハンカチより大判で、縦長の布地が特徴の「手ぬぐい」は、上手に使えばハンカチとしてはもちろん、キッチンタオル、ブックカバー、ペットボトルカバー、そしてギフトラッピングとしても使える万能選手。ちょっとした贈り物にも喜ばれる、日本文化の粋の結集なのです。


ここでは「手ぬぐい」への並々ならぬこだわりを持ち、日々仕事を続ける「日本橋・戸田屋商店」の岩城さんにいろいろと伺いました。


老舗、戸田屋商店にお邪魔してみた




岩城さん、今日はよろしくお願いいたします!今私がいるのは日本橋にある戸田屋商店さんなのですが、すっごく素敵な建物ですね~。外にかかっていた額縁のようなものはなんでしょうか?




よろしくお願いいたします!ありがとうございます。この建物も古いんですよ。外に掛かっているのは型紙を枠に貼ったものですね!








型紙だったんですね!!すごく素朴な疑問なのですが、手ぬぐいってどうやって染めるんですか?





いろいろな手法がありますが、戸田屋商店では「注染(ちゅうせん)」という方法で染めています。伝統工芸に指定された染色方法で、風合いがいいんです。





伝統工芸ですか!さすが老舗ですね…





そうですね。こうして注染で染めた手ぬぐいは、歌舞伎界でも愛用されているので「梨園染」の名称で愛されています。




端は「切りっぱなし」が本来の手ぬぐい




注染ならではの特徴ってあるんですか?





裏表がないことですね。









糊をひきながら生地を折り重ねて、口の細長いやかんで染料を注ぎ、下から真空ポンプで吸引して生地に染料を浸透させます。こうすることで表裏がなく染め上がるんです。見えないところや裏側に凝る、日本人の美意識が反映されていますよね。









たしかに、両面まったく違いがなく美しいですね…!! そして、ここではまだ反物の状態なのですね。切ってから染めるのだと思っていました。






染めてから切るんです。そして必ず端は「切りっぱなし」ですね。





え?縫わないんですか?





切りっぱなしにすることで、乾きが早く雑菌が繁殖しにくくなります。昔は手ぬぐいは応急処置で包帯代わりにしたり、下駄の鼻緒が壊れた時などにも使われたので、裂きやすいのが良かったようです。









梨園染の手ぬぐいには30番手特岡という高級な木綿生地を使用しているので、素肌にも優しく、織り目が細かいことが特徴です。切りっぱなしじゃない手ぬぐいは、本来の手ぬぐいじゃないといってもいいでしょう。





なるほど…知りませんでした。勉強になります。




様々なデザインを実現させる熟練技




さて、染め方を教えていただいたところで、あらためて手ぬぐいをみているんですが…すごい数ですね!









そうですね。伝統柄から、斬新な柄までいろいろなモチーフを落とし込むことができます。





これなんか凄く細かいですね…









彫師が丁寧に彫っているんですよ。これは本当に熟練技です。客間に飾ってあるものをぜひごらんください。





・・・うわ~





※こちらは注染ではなく藍染です。





こ、細かい…





人間国宝の「児玉博」という方が彫ったものです。本当に職人技ですよね。





驚きました。以前WASABIでお願いしたものも、だいぶ細かったと思いますが…






可愛らしい柄でしたよね。あのくらい線の太さがあれば大丈夫ですよ。





さすがです。




実は万能!手ぬぐい活用法




手ぬぐいって、最近また流行りだしましたよね?皆さんどういうふうに活用しているんでしょうか?





20年前くらいから品質の良さが見直されて、ブームになりましたね。手ぬぐい専門店も出てきましたし、ディスプレーをするようにもなりました。









もともと四季を反映している柄もありますし、季節にあわせて手軽に取り替えるのもいいですよね。





はい。吸水性がよく、乾きも早いので、ハンカチとしてはもちろん、台所のふきんとしても活躍します。









さらっとしてて気持ちがよさそうですね!





そうですね。それから、ランチョンマットとしても手軽ですね。かさばらないですし。









よくブックカバーや、ペットボトルカバーにしている人もみかけますね。お酒を包んで、手ぬぐいごとプレゼント…なんていうのも喜ばれそうです。









そうですね。ほどよく長さがあるので、割と何にでも使い易いです。弁当箱の包みとして使うこともおすすめです!縦長なので、すごくスリムに包むことができるんですよ。









ほんとだ!もたつかないですね。





そうでしょう。後はふすまのデコレーションにも。





ふすまですか?!





弊社の客間のふすまごらんになりました?









はい、たこ唐草の文様がすごく可愛かったですが…





あれは手ぬぐいを貼っているんですよ。





そうなんですね!!すごく可愛いですね。思いつきもしませんでした。





いろいろなところに貼ってDIYを楽しんでみてもいいですね。





なるほど。ハンカチより楽しく使い切れそうですね。




2017年は「手ぬぐい」で粋な人に


いかがでしたでしょうか? なかなか使いどころがわからないと思われがちな「手ぬぐい」ですが、日常でも使えるヒントがたくさんありました。


「切りっぱなしで裏表がない」日本の職人が作った手ぬぐいを、スーツのポケットからすっと出す…なんて、すごく粋かもしれません。
2017年はぜひ、手ぬぐいにトライしてみてくださいね。