印象を決定付ける隠れた主役。床の色とインテリアのいい関係とは?
投稿日:(金)
目次
床の色とインテリアの関係
フローリングの色。床の色。
あまり重要視されないけれど、実は部屋の雰囲気を決定づける大事な要素です。
インテリアコーディネートの視点から室内を観察しますと、時代に合わせて床材とインテリアの関係性には流行や傾向があるということに気が付きます。
少しだけ遡ってインテリアのトレンドを見てみましょう。
1990年代
バブル期を経て、無印良品や丸井インザルームなどがもてはやされ始めたころです。
カントリースタイルに人気がありましたが徐々にベーシックなスタイルにシフトし始めたころでもあります。
床材は、ナチュラルブラウンのフローリング、その床の色に合わせるように家具を選んでいました。「床と家具の色は合わせましょうね」という調和のコーディネートの時代でした。
また、色を合わせるだけではなく、例えばソファとセンターテーブルとテレビボードや、ダイニングテーブルとダイニングチェアなどをすべて同じメーカーやブランドのシリーズで揃え、統一感を演出するのがセオリーでした。
2000年代
ミニマルやシンプルモダンが流行りだしました。
そしてIKEAの日本上陸!北欧インテリアブームが席捲しはじめたのです。
今までいかにも木材らしいブラウンが当たり前だったフローリングに、真っ白なんていうおしゃれなバリエーションが出てきました。
真っ白な床に真っ白なドアや家具を合わせるのではなくて、あえてダークブラウンや黒い家具を組み合わせたメリハリのあるコーディネートが都会的でカッコイイと感じ、シンプルモダンを求める人に受け入れられました。
また、北欧インテリアを好む人たちには、メープル材の明るい色調のフローリングも人気があって、家具もそれに合わせるように白木のものが人気でした。
2010年代以降
いまではフローリングの種類も増え、ビンテージ風、古木風、タイル風など様々な表情を持つ床材があります。
現在のトレンドは、床材の色と家具の色をぴったりと合わせるようなコーディネートではなく、また、セッティングする家具同士も同じシリーズや色あいで揃えることもしなくなりました。
いろいろとミックスをしていくのが今風と言えます。
面白いでしょう? こうやってみるとインテリアの写真から「あ、これはあのころだな」というある程度の年代がわかるのです。
さて。
今どきのお部屋づくりをしたいあなた。
床材の色とインテリアコーディネートのおすすめ組み合わせをご紹介しましょう。
濃い色の床
ダーブラウンなど、床材が濃い色の場合、ホコリが目立つというデメリットはあるものの、高級感がありますから好まれる人は多くいます。
■シック
■ラグジュアリー
■落ち着いた
そんな印象のインテリアが作りやすいのが濃い色の床材です。
濃い色の床に濃い色の家具を合わせればムーディな演出が出来ます。
やや部屋が暗く沈んで見えがちですので、スタンド照明などを使って照明を多めに取り入れるのがポイントです。濃い床に濃い家具は重厚感が出すぎてしまう場合もありますから、モダンで現代的なアートを取り入れるとバランスが良いと言えます。
濃い色の床に明るい色の家具を合わせれば、床が濃くても部屋を広く魅せることができます。 アクセントとなるような「色」を意識して取り入れると洗練された雰囲気になります。
明るい色の床
メープルやオークなどの明るい色の床材の場合、海を感じる西海岸スタイルや北欧スタイルが似合います。
■さっぱりとした
■親しみやすい
■開放的な
そんな印象のインテリアが作りやすいのが明るい色の床材です。
明るい色の床に明るい色の家具は、若々しく軽やかなインテリアになります。特徴的なデザインの照明器具を1つ取り入れるとおしゃれな雰囲気にみえます。
要所要所において「白」を効果的に使うのがポイントです。
明るい色の床に濃い色の家具を合わせれば、都会的でしゃれた印象になりますが、すべてを統一してしまうと単調になりますので、デザインで変化をつけると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。
室内において、床は面積が大きいだけに、インテリアのイメージを決定づける大きな要素になります。
今回はフローリングの床材でお話しましたが、タイル、カーペット、畳など床材はフローリングだけではなく他にも様々な種類があります。
お部屋の用途に合わせて選択すると良いのですが、そのお話はいずれまた!
床の色とインテリアの関係、ぜひじっくり選んでみてください!
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