アート初心者のための"いろは"。空間にとってのアートの意味とは?
投稿日:(金)
目次
あなたが心惹かれるもの=アート
アート。
そんな風に言われると、身構えてしまう人もいるかもしれません。 ですが、大丈夫。安心してください。
なにも、あなたの部屋にレンブラントの「夜警」を飾りましょうとか横山大観の「霊峰富士」を飾りましょうなんてことを言いだしたりするわけではありません。
気楽に。
あなたが心惹かれるもの、それをアートと呼ぶことにしましょう。
それは、1枚の写真かもしれません。
風景。
海でしょうか、それとも街並みでしょうか。
光り輝く綺麗な景色、それとも影がおりなすモノトーンの世界。
人物。
エロティックな曲線を描く体、ポージング。
あるいは、それは何かの絵かもしれません。
POPアートと呼ばれるような、鮮やかでパワフルな。
それとも、なにかメッセージ性を感じる強烈な・・・個性。
大きなもの。
小さなもの。
インテリアコーディネートの中において、アートは最後の「味付け」です。
塩コショウだけなのか。こってりトンカツソースなのか。おしゃれなバジルソースなのか。
味付けがないのは、味気ないですから。
実際アートがあると何がいいの?
さて、実際にアートがあると、インテリアの見え方にとってもいいことがあります。 視線の行く先が誘導されるからです。
インテリアコーディネートの用語でいうとそれを「フォーカルポイント」と呼びます。
部屋に入ったときに目に付く壁面、そこにアートを設置すると目のやり場が定まって、居心地の悪さがなくなります。
特に家具の上に、家具の約75%の比率で絵を飾るとバランスがよいと言われています。
絵の飾り方については、少しばかりコツもありますので、こちらを参照してみてください。
住まい手の個性を表すものでもあり、住まい手の審美眼やクリエイティビティを表すものでもあり、そして、インテリアコーディネートとしての「魅せ場づくり」の一役を買うもの、フォーカルポイントとして効果を発揮できるもの。
それがアートです。
アートがないと生活が成り立たないわけではありません。でも、アートは人生を彩るプラスワンです。
また、人を招き入れる時に必ずと言っていいほど、そこに飾ってあるアートは会話を生みます。アート自体の話、ひいてはあなた自身の考え方や審美眼の話まで発展する可能性もあるのです。
人生1枚目におすすめのアート
ところで、アートは、いったいどこから手を付ければよいでしょうか?
初心者でも気楽に手に入れやすいものとして小ぶりなサイズのキャンバスアートをお勧めします。
木製のフレームに、キャンバス地が貼られていてそこにさまざまな世界が描かれているキャンバスアートは、ガラスがはめ込まれたような額縁に比べ、とても軽く出来ています。
壁の下地や頑丈な取り付け金具を用意する必要がなく、画鋲一本で簡単に設置できますので、初心者でも取り入れやすいアートと言えます。
好きな作家の作品を見付けたら、お財布が許せばぜひ1つではなくて複数手に入れてみましょう。 小さなものだとしても、複数を設置することでそこに一つの「世界」ができ、立派なギャラリーのような演出が可能です。
まずは小さなものから探してみませんか。
アートを長く楽しむために
さて、アートは鑑賞するためのものでもあり、芸術としての資産でもあります。 大切に長く楽しむために、アートを飾る環境にも少し気を配ってみましょう。
キャンバスアートは軽く手軽な反面、湿度の影響を受けやすいという特性があります。
キャンバスが置かれる環境として理想的なのは気温(室温)17℃~25℃、湿度44%~55%です。
また、直射日光があたる場所は退色しやすくなってしまいますので、直射日光を避けて飾りましょう。 保管する際は、水平ではなく、縦に保管するようにしてください。
絵は、自分だけではなく、子供や孫にも渡していける「財産」。 是非、長い付き合いを楽しんでくださいね。
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