「絵を描く」を仕事にして生きるために。モデルケースに学ぶノウハウ(2) PR、営業編

投稿日:(金)

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目次

2022.3.11.UPDATE

「絵」を仕事にするためには、まずポジショニングが大事?


アートに関わる人なら誰もが一度は考える(もしくは世間からそう見られる)シビアな話…。


それは「絵を描くを仕事にできるの?」「絵で食べていけるの?」ということです。


正解はないけれど、とりあえずモデルケースの人から話を聞きたい!!


…ということで、今回は美大卒ではなく、サラリーマンからアーティストに転身し絵を仕事にしている山田サトシさんにインタビューにご協力頂いています。


第一回目は「売れるアーティストになるにはポジショニングが大切」ということで、PRや営業活動の前段階に必要なことは何か、お届けしました。



今回は、自分のポジションを設定するという準備が終わったあとに、どのようにPRや営業活動をしていくのが良いかお伝えしていきます!




「絵」を仕事にするためには、まずポジショニングが大事?


…というわけで、前回は自身のポジション設定が大切、というお話をしていただきましたね。もちろん「独自の画風がある」ことは大前提としてですが。




そうですね!!描きたいものを描く、というのはもちろんですが、そのジャンルにおけるポジションをある程度考えた方が、売れる確立は高まると思います。




今回はポジショニングが適切に出来たとして、その後どのようにPR、営業活動をするのがよいかをお話してもらえるんですよね。




ですね!!これも僕の例になるので参考になるかはわかりませんが、ある程度共通する部分はあるかと思います。



ターゲット層に地道に働きかける



元も子もない質問かもしれませんが、自力でPR活動や営業活動はすべきなんでしょうか?アーティストというと、描くのが仕事というイメージですが…




すべきかどうかはわかりませんが、自ら発信していく方が仕事の幅は広がりますね。




山田さんのケースだと、ポジショニングとして「コラージュでバレエのアートを作る」という設定をされたわけですよね。そこからどのように仕事を作っていかれたんですか?




まず、ひたすら都内のバレエ団やバレエ教室にメールしました。あとはバレエ発表会などでビラを配ったり(無断ではビラ配り出来ませんので注意が必要です)。バレエをしている人は若いけど、見ている人をターゲットにすると少し年齢が上がります。SNSではリーチできない年齢層の方もいる場合は、ビラ配りの方が効果的だと感じました。







かなり地道ですね…。でもそういう行動をすることで、自分のアートが誰に刺さるのか、身をもって分かりますね。




そうなんです。必要な泥臭さだと思います。それから、消費者に向けてはイベントも効果的ですね。代表的なところだとデザインフェスタとか。そういう時も、どういう人が何を買っていったのか、データベースとして持っておくと分析出来ます。




イベントに出展してもただ売るだけでは勿体ないということですね!




勿体ないです!!消費者の声を聞く絶好のチャンスでもあり、マーケティングできる場なので、 なんでもいいから目的を設定した方がいいですね。




例えば「20歳前後の女子に受け入れてもらえるか見極める」とかですね。



企業とつながって仕事をするためには?



一般消費者ではなく、企業からの依頼で仕事をするにはどうしたらよいでしょうか?そちらの方がお金にはなりますよね…(笑)




そうですね(笑)いくつかの方法があると思いますが、企業にリーチするのであれば、まずは自身のHPの見せ方・見え方をしっかり確認した方が良いと思います。




今はSNSも発達していますよね。Instagramやtwitterではいけないのでしょうか。




そこから人気に火がつくケースも勿論ありますし、フォロワーの多いアーティストを求めている企業もあるのですが、サイトがあると信頼度合いも高まり、ターゲットに定めた企業に直接メールで営業もかけやすいです。 一方で、ターゲット層が一般の10代20代などであればInstagramやTwitter、FacebookといったSNSは必要になると思います。




今は無料で作れるHPツールもたくさんありますから挑戦しやすいですよね。




そうですね。後はイラストノート等の情報誌に掲載してもらうと、広告代理店などから連絡が来たりと仕事の幅が広がります。それと、クリエイターズエキスポは企業とダイレクトに繋がる絶好のチャンスでした。




クリエイターズエキスポ、出されてる方多いですよね!!他にも企業とのマッチングイベントはあると思いますが、何かそこで仕事を獲得するコツはありますか?




その日までにHPを整えて、名刺とチラシを準備しておきます。企業の方と名刺を交換した時は、その日のうちに「こういう仕事が出来ます」という自己紹介を書いて御礼のメールをします。その時に、おすすめなのはブースの写真を添付すること。1日色々なブースをみた企業の方が忘れてしまっていたとしても、思い出してくれる確率が上がります。







「その日のうち」というのは大事ですね。この人は実際に一緒に仕事をしてもレスポンスが早い人なんだろうなぁ、と想像できます。




そこは「社会人として」の部分ですね。 それと、もしもやりたい仕事があるのなら、もうそれを作っちゃった方がいいです。




というと?




例えば「本の装丁を手がけてみたい!!」と思っていたとしますよね。そうしたら、自力で本の装丁を作ってしまうんです。仮サンプルでもいいから作ってしまえば、企業側もイメージが湧きますから。




なるほど、確かに作ってしまえばいいんですね。


ある程度の軍資金は必要


ちょっと気になったんですが…HPの制作はともかく、イベントの出展ってお金かかりますよね。やはり本気で広報しようと思ったら、ある程度の軍資金は必要でしょうか?




広告宣伝費は必要です。また、それを考慮した、金額に見合った作戦を立てるべきだと思います。もちろん的外れなイベントに出展してお金を無駄にしないよう、ポジショニングをしっかりしてターゲット層が来てくれそうなイベントに出展するのがおすすめです。




企業と仕事をしようと思ったら広報は大切ですもんね。


自分の価値っていったいいくら?


こうして企業とマッチングして、仕事ができるようになる、と…万々歳ですね!!




いや、まだです。ここからが実は一番難しいところなんです。




え、何がですか?




「いくらで売るのか」という部分です。アートやデザイン分野は相場がわかり辛い世界。自分の作品の価格の設定は曖昧になんとなくするのではなく、しっかりとした根拠を持って値付けして説明できるようにすることをお勧めします。




値付けの根拠か…難しそうですが、企業との交渉では絶対に必要になる部分ですよね。




無駄に値段を釣り上げるのも良くないですが、自分を安く見積もり過ぎても体力が持ちませんからね。 あるネット記事にこんなものがありました。画家ジミー大西さんは自分の絵を自給換算したら驚くほど安く、それが原因の一つで絵を描くのをやめてしまったと。ネット記事なので本当かどうかわかりませんが…。




そうですよね、アートやデザインをするのは実はすごく体力がいることですからね。では、それは次回またお話し頂きたいと思います。



いかがでしたか?


今回は「PR、営業」についてお伝えしました。 泥臭く地道な活動と、企業を狙ったイベントへの出展との両輪をバランスよく回していくことが必要になりそうです。


次回はいざ仕事が発生した際に、適正価格を付けて販売をする方法についてお伝えします!!



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