
こんにちは、インテリアコーディネーターの住吉さやかです。皆さんはアートを飾るとしたら、最初にどこに飾りますか?リビング?それとも玄関?
プライベートな空間と思いがちな家の中でも、玄関やリビングはゲストが訪れたり、家族みんなで過ごす場所なので、家の中ではパブリックな空間と言えます。
一方、寝室や自分の部屋は、完全なプライベートスペースです。実はアートを選ぶ時、プライベートな場所に飾るものの方が選びやすいというのをご存知ですか?

理由は簡単。プライベートなスペースに飾る絵は、他人の目を気にせず、自分の「好き」を表現すれば良いからです。好きなアートが飾ってある自分のためだけの空間…想像しただけでワクワクしますよね。

せっかくならそのアート、もっと素敵に飾りませんか?
今日はインテリアコーディネーターが手掛けた寝室の実例をもとに、寝室にアートを飾るときのコツをご紹介いたします。
(1)アートを飾る場所は『よく見える場所』に「目線の高さ」
アートを飾る場所の選択肢は(1)ベッドの真上、(2)ベッドの横、(3)ベッドに入った時によく見える壁、と大きく3つに分けられます。
お部屋によって窓の位置や収納の扉などの位置が異なりますが、この3つの何処かには、飾れるはずです。
ベッドの真上に飾る

[House O project] design by Class S interior design
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大きな絵を飾りたいなら、ベッドの真上が最適です。ここにアートが飾ってあることで、フォーカルポイント(目を引く場所)ができて安定感が生まれ、ホテルのような寝室になります。
家具とアート、バランス良く見えるサイズの関係も押さえておきましょう。前にある家具(寝室ならベッド)の横幅の50〜75%程度の大きさのアートが良いと言われています。また、横長の壁には横長のアート、縦長の壁には縦長のアートを合わせるとバランス良く見えます。
ベッドの上にアートを飾るときは、地震などで落下しないように、しっかりと壁に固定してくださいね。
ねりけしのようなソフト粘着剤を丸めてアートと壁をくっつけると、落下を防げるので安心です。
ベッドの横に飾る


[Plus Art 推進会 インテリアと睡眠調査 モニターC邸] アート:アンティーク版画 16 世紀 / オーセンテリア Photo by HirokazuTouwaku
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小さいアートの場合、ベッドの真上に飾ると寂しく感じられることがあります。また、ベッドヘッド側には窓があって、アートを飾れる壁が無いなんてこともありますよね。そんな時は、側面の壁を利用しましょう。動きが出て、正面に飾るのとはまだ違ったぬけ感が生まれます。
ベッドからよく見える位置に飾る


[Plus Art 推進会 インテリアと睡眠調査 モニターA邸] アート:はやしまりこ「TUNAGU」/ A&M Photo by HirokazuTouwaku
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寝る間際や起き抜けに、アートを見て癒されたい、元気をもらいたい、と言う場合は、ベッドからよく見える場所がおすすめです。キャビネットなどがあれば、その上に置いて飾っても良いですね。

スリムでシンプルなサイドテーブルであれば、どんな部屋にもぴったりです。
寝る直前になるべく余計なもの(仕事や学校のことを思い出すようなもの)が目に入らないようにしておくと、リラックスして安眠につながるとも言われています。お部屋をすっきりと片付けてアートを飾れば、よく眠れ、気持ちよく起きられる寝室の完成です!
どこに飾るか迷ったら
どこに飾るか迷ったら、生活する中で一番よく見える場所はどこだろう?と言う意識で寝室を見渡してみてください。例えば寝室入って一番に目がいくと言われている対角線のコーナーや、目覚まし時計の近くなど、きっとどこかに最適な場所があるはずです。
また、アートを飾る高さは、作品の中心が目線の高さになることを意識してみてください。人は無意識の時、少し目線を下げて過ごしています。ベッドから見るアートは、気持ち低めかな?という高さがベストバランスです。
(2)アートはお部屋のアクセサリー!自分らしく効かせて
冒頭でもお伝えした通り、寝室に飾るアートは自分の「好き」に従うだけでOK!直感に従って、好きなアートを選んでください。
アートはファッションで例えるならばコーディネートの仕上げとなるアクセサリーのような存在です。シンプルなファッションを控えめなアクセサリーで仕上げれば、知的で上品な印象になりますし、同じ服に派手でパンチの聞いたアクセサリーを合わせると、モードで個性的な印象になりますよね。
(アート通販サイトWASBIのInstagramでは、アート×インテリアのスタイリング写真がたくさん!ぜひ参考にしてみてください。)

アートをコーディネートするときは、お部屋をどんなイメージにしたいか?を考えると上手くいきます。
同系色でまとめる

[Glossy Mode project] design by Class S interior design
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Photo by HirokazuTouwaku
アートとインテリアをなじませて、調和のとれたリラックスできる空間にしたいなら、お互いに色や素材を寄せていくと上手くいきます。例えば、アートの中にある色をベッドリネンやクッションなどにも取り入れると、統一感が生まれます。
額縁を選べる場合は、寝室の家具の色に合わせて選ぶと良いでしょう。調和の取れた空間は、1日の終わりに心地よいリラックスタイムを与えてくれます。
アートを主役にする


[Plus Art 推進会 インテリアと睡眠調査 モニターE邸] アート:momomi sato「キリンのテオドラ」「ポルボラ」「サパタ」/WASABI ART SHOP ONLINE Photo by HirokazuTouwaku
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アートをインテリアの主役にしたい、アートから刺激をもらえる空間にしたい!というもの素敵ですね。アートが主役になるように、インテリアはできるだけシンプルに、脇役に徹しましょう。
もしアートだけが目立ちすぎて浮いてしまうようなときは、クッションを使った中和策がおすすめです。アートの中にある色と同系色のクッションをプラスしてみてください。空間の中にアクセントになる色が散らばることで、インパクトを損なわずに調和も生まれます。
飾り方に悩んでいる方はこちらのコラムもおすすめ!
(3)アートとインテリアの力で睡眠の質が向上!?
そうは言っても寝室は寝るだけだからインテリアなんてこだわれないし、アートを飾っても眺める時間なんてないよ、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、在宅ワークが普及する今、家の中でONとOFFを切り替えてしっかり休息をとるためにも、睡眠の質向上は重要なテーマです。

そのテーマで調査を行ったのが「こころみたす アートな暮らしを」を掲げるプラスアート推進会です。
プラスアートが2019年に実施した寝室のインテリアと睡眠の質向上に関するモニター実験では、ウェアラブル機器でのモニタリングとアンケート調査の両方を用いて、熟睡度や目覚めた時の爽快度が測定されました。
1週間ごとに内装(壁紙とカーテン)、アート、照明を変更して調査を続けた結果、実験を始める前(Before)とお部屋完成時(After)では爽快度と熟睡度ともにアップすることが分かりました。
そして、プラスアートは調査を通じて『寝室を嗜好に合ったインテリアにすることで、主観的な睡眠の熟睡感や爽快感が向上する可能性がある』と結論づけました。(今回ご紹介している実例の一部はその調査のものになります)
詳しい内容はプラスアート推進会のHPをご覧ください。(HPはこちら)
このように、睡眠の質にこだわりたい方にとっても、寝室にアートを飾ることは有効だと言えそうですね。
(4)おわりに
寝室に好きなアートを飾ることで、いつもより少しだけ丁寧にベッドを整えたくなるかもしれません。整ったベッドはいつもより少し、寝心地が良いでしょう。
朝、起き抜けにアートを見ることで、普段より少しだけ気分が明るくなれるなら?日常のちょっとした変化は、少しずつ、でも確実にわたしたちに影響を与えてくれます。
まずは寝室に飾るためのアートを選んでみませんか?
住吉さやか/プロフィール
インテリアコーディネーター・アートライフスタイリスト。好きなインテリアがあっても無くても大丈夫!そのまま暮らせるトータルコーディネートであなたの希望を叶えます。Class S interior design代表 インテリアコーディネーター・アートライフスタイリスト、プラスアート推進会メンバー
HP:https://class-s.jp/
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