- 制作年
- 2020年
- 技法,材質
- カラーインク/黒インク/紙/パネル
- サイズ
- 280mm × 200mm
- ストーリー
- インクで帯状のイメージを描き、それを水で滲ませて画面を表しています。そのイメージは、私が眺める遠景と重ね合わせています。微かに揺らぐ遠くの景色に憧れを持ちつつ、その地点へ近づくほどにその憧れが薄れていく儚さを感じています。私が望んでいるのは遠景に見える地点ではなく、その地点と私の狭間にある距離そのものなのかも知れません。それは今でも脆く揺らいでいます。
- 備考
- サインあり
【遠景への憧れと儚さ】
遥か遠くに揺らいでいる景色を、インクで描いた帯状のイメージで表現したfragile siteシリーズの1つです。
遠くの景色は、近づくにつれその姿が失われ、持っていたはずの憧れも薄れていく。望んでいるのは景色の実体ではなく、間に存在する距離そのものなのかもしれない、という儚さが感じられます。
実体があるようで実は限られた空間にしか存在しない、束の間の光景が写し出されています。
カラーインクで描かれたモチーフが水の滲みによって見せる淡く儚い姿が美しい作品です。
鮮やかな色彩と水の揺らぎの表現がスタイリッシュな印象の本作品はどんなお部屋との相性も良く、インテリアによって異なる表情を見せてくれるでしょう。同シリーズの他の作品と並べて飾ってみるのもオススメです。