- 制作年
- 2026年
- 技法/画材
- キャンバスにアクリル絵の具
- サイズ
- 100mm×100mm,厚さ35mm
- 重さ
- 114g
- ストーリー
- 私たちは言葉という「型」を用いて世界を理解可能で、私たちが安心できるなにものかに変換しようと格闘してきました。この分類とラベル付けの働きは、コミュニケーションにおいて有用ですが一方で、言葉は私たちの認識を固定化し、未分化で生々しい体験の豊かさから私たちを遠ざけもします。
はじめて「羽ばたく生命体」を見た子供は、その色、形態、動きに驚き圧倒されます。しかし「あれは蝶だ」と教わった後は、畏敬の念は静かに消えていきます。
以来その生き物は、「蝶」―よく知られたありふれたもの―として知覚されます。言葉は、謎に満ちたこの世界を「知っているもの」「わかっている気がするもの」へとすり替え、「未知なるもの」をそのまま受け取る体験を奪っていくのかもしれません。
私にとって絵画は、固定された意味がほどけ、そこから別の可能性が生まれては消えていく、変容の痕跡です。明晰な輪郭を与える言葉とは異なり、絵画は「なんだかわからないもの」や「とらえどころのなさ」をそのままの姿で差し出します。
創作は、姿を変え続ける世界の流動性を意味づけすることなく見つめて、予測できないことを楽しむ「遊び」であるかもしれません。
- 備考
- サインなし。直射日光を避けて飾ってください。
【未分化のロンド】
言葉による分類をほどき、世界の「とらえどころのなさ」をそのまま差し出す現代抽象画。深いグリーンから湧き出すイエローやシアンの緻密な畝は、初めて羽ばたく生命体を目撃した時の畏敬の念そのものです。ミニマルな空間に意味を持たない未知の豊かさを添え、目にするたび「わかっている気がするもの」を裏切り、世界を新鮮に驚きを持って見つめる自由をくれる、計り知れない存在感を宿した至高の一枚です。