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2020.1.10

アーティストの素顔

『日本で磨いたデザイン力×インドで身につけた感性』で、生命に宿る強さや美しさを描く
アーティスト・Akko Teraインタビュー

 NOMALライター 吉田

ペン

NOMALライター 吉田

「インドに行って人生が変わった」
「メイド文化と出会って人生が変わった」
 
この二つの言葉を聞いて思い浮かべるものと言えば、前者は当然インドで、後者は秋葉原あたりでしょうか。
 
しかし、今回インタビューするアーティストさんにとっては、どちらの言葉もインド。
 
インドでメイド?なんのこっちゃ?という方も多いでしょう。僕もそのうちの一人でした。
 
インドで出会ったメイド文化によって、人生を変える時間を手に入れてアーティストとなったAkkoさん。  
東京都立川市で個展を開かれていたので、最終日前日にお邪魔してインタビューしてきました。
 

きっかけはインドのメイド文化?

お忙しいところおじゃまします!

さっそくですが、アーティストになられたきっかけからお聞かせください。


 
はい、もともとはグラフィックデザインやWebデザインの仕事をしていました。ただ、子供の頃から絵はずっと好きで、仕事の傍らも絵を描きたい思いはずっと心の片隅にありました。


結婚を機に生活に余裕が出たときに、2年ほどアート教室に通っていたのですが、そのうちに子供ができて家事や育児に追われていきました。そんな時に、旦那さんの転勤でインドへ行くことが決まったんです。


 
5年半行かれていたんですよね?


 
そうですね。そこで出会ったメイド文化によって、生活が劇的に変わりました。


 
メイド文化?


 
お掃除も洗濯も、家事全般をメイドさんがやってくれたんですよ。それまで家事や育児に使っていた時間がポッカリ空いてしまって。その時に、「絵を描きたい」という思いが蘇ってきて、アート教室に通い始めました。



メイドさんのおかげで、好きだった絵を描く時間が生まれたわけですね。



そうですね。アート教室では、技法というよりも「肩肘張らずに自由に楽しむ」というマインドを教わったんです。それが凄く印象的で、本当に楽しみながら絵を学ぶことができました。
 
 
それからしばらくして参加した展覧会で、私の絵を気に入って買ってくれた方々がいました。そのことで、「肩肘張らずに自由に楽しめるアーティストになってもいいのかもしれない」と考えるようになりましたね。


 
日本に戻ってからは武蔵野美術大学の通信で一年間本格的にアートの勉強をしましたが、その後は独学で自由に描きながら今に至ります。


 

指には絵の具を、瞳には魂を

トラの絵が多いのはインドの影響ですか?


 
そうですね、インドではトラの絶滅保護活動が盛んなので、至る所にトラの絵がありました。あとは、画家として何を描きたいかを考えた時に、動物とか植物の命に宿る強さや美しさ、そういうポジティブなオーラを描きたいなと思ったんです。
 


めちゃくちゃポジティブなオーラを感じます。眼力がすごい。



ありがとう!トラを描くときは、眼を最初に描くんですよ。まずは眼を描いて魂を注ぎ込むというか。そこからイメージが湧いてくる感じがするんです。


 
トラの周りに描かれている模様からもインド感が伝わってきてカッコいいなと思いました。


 
この柄は、ヘナタトゥーというボディアートの影響ですね。トラもそうですが、インドで出会ったヘナタトゥーや曼荼羅は、私のアートにすごく影響を与えてくれました。



ド素人の感想を丁寧に拾っていただき感謝です。入り口にあったライオンの絵もカッコよかったです。(カッコいいしか言ってない)



実はこのライオン、ほとんど指で描いたんですよ。
 


え、指で?


 
そう、指に白と黒の絵の具つけてね。良い感じに強弱がついて、指の可能性に最近気付きました。アーティストとしてはまだまだ駆け出しなので、もっと自分らしい絵が描けるように色々と試していきたいです。


 

ゼンタングルをやってみた

今回の個展では「ゼンタングル」のワークショップを開催しているのですが、せっかくなのでやってみませんか?


 
ゼンタングル?


 
簡単なパターンを描くことで頭の中が空になるので、ストレス発散やリラックス効果があって、「描く瞑想」って言われてるんですよ。ゼンタングルを始めたのもインドで出会ったヘナタトゥーの影響なんですが、難しいことは考えずにとりあえずやってみましょう!


 
そうですね。説明を聞いてもよくわからないのでやってみたいと思います。
 
 


あらかじめ紙に書かれた猫を適当に線で区切り、見様見真似でヘナチョコな波線や丸を埋めていきました。

 
インタビューで来たにも関わらず、ほとんど無言でワークショップを楽しむこと30分…


 
 
なんかそれっぽいのができました!!!



凄く良いじゃないですか!これは吉田さんにしか描けないアートですよ!



なんだろうこの達成感…なにより描いてて純粋に楽しい。ゼンタングルちょっとハマりそうです。


 
そう言ってもらえて嬉しいです。やっぱり、見るだけよりも触れた方がアートに興味を持ってもらえるし、また違った見方をしてもらえると思ったので。


 
個展と聞いてちょっと緊張してたけど、今ので解けました。さすが描く瞑想と呼ばれるだけありますね。


 
日本に帰ってきて感じたのが、アートに対する壁のようなものでした。


 
壁、ですか?


 
インドでアートを学んでいた教室では、アートを通じていろいろな国の人たちと交流するのも楽しかったんです。それもあって、ただ絵を描くというよりはアートが生活や交流の場の一部にあったらいいのになと思うのかもしれません。



日本だとその感覚はまだ浸透してないですもんね。



そう、もっと自由に楽しんでいいと思うし、もっと日常にアートがあれば心が豊かになると思うんです。そういう活動の一端になれたらいいなぁと思って今回はワークショップをやってみました。


 

「和」と「印」の合わせ技で独自の世界観を

個展を開かれるのは今回が初めてだったということですが、振り返ってみていかがですか?


 
昨日はインド時代のママ友が会いに来てくれたんですよ。


 
へぇ、すごく良いですね!


 
子供が同級生で、インドでも仲良くしてたから戦友みたいな感じです。デザインの仕事関係の方々もたくさん来てくれたし、普通に伊勢丹に買い物に来たお客さんもワークショップをやってくれたり。私自身がすごく楽しめたので、やってよかったなと思います。
 


ワークショップは僕も楽しかったです。


 
来てくれるだけでも嬉しいのに、応援として買ってくれたり。やっぱり、人と人との繋がりが私は好きです。そういう繋がりはこれからも大切にしていきたいし、アーティストとして恩返しもできたらと思います。


 
良い話をありがとうございます。
 
 
それでは最後に、アーティストとしての今後の展望をお願いします。


 
今まで培ってきたグラフィックデザインの要素や、インドで身につけた画家としての力や感覚。それらを全部合わせたのが今の自分なので、そういう自分の中にある世界観はこれからも描いていきたいです。あとは、せっかく日本に帰ってきたので「和」のテイストを入れた作品作りをしたいです。


 
「和」と「印」の融合になるわけですか。



昔ながらの和柄と、私なりのグラフィックや生命力のある動植物を合わせて描けたら面白いかなって。
 


それが完成した時に、「AKKOさんと言ったらコレ!」というのが生まれるかもしれませんね。


 
そうなったら良いな。でもあんまり苦しいのも嫌なので、肩肘張らずに自由に楽しみながらやっていきたいと思います。笑


 
それがイチバンですね。本日は個展でお忙しい中ありがとうございました!今後も応援していますので、引き続きよろしくお願いします!
  
 

 

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