2017.4.7

アート探訪

圧倒的な支持を受ける美しいイラスト達。
切なく甘い世界を描く、イラストレーターの素顔とは?
Juliet Smythインタビュー

WASABI責任者 平山 美聡

ペン

WASABI責任者 平山 美聡


シンプルで洗練された色使いと、繊細な線で描かれた甘いイラスト。
イラストにそっと添えられた、少し切なさを感じる言葉たち。
アイルランド人の父を持つイラストレーター・Juliet Smythの描くイラストと言葉は、なぜ女性の心を掴んで離さないのか?
そのチャーミングな素顔に迫ります!



外国の絵本に囲まれて確立されたJuliet流の画風

Julietさん、今日はよろしくお願いします!
WASABIのアーティストさんの中で一番、女性ファンが多いJulietさんなので、同じ女性同士色々お話したいです。




ありがとうございます!
はい、ぜひよろしくお願いします。




私自身、Julietさんの絵や添えられた言葉に、励まされたり、切なくなったりしてきました。 Julietさんの画風ってとてもシンプルなのに個性があって、本当にオシャレだな!と思うんですけど、結構試行錯誤されたんですか?


juliet

いえ、自然にこうなりました。白目の画風ですね(笑) 私は父がアイルランド人で小さい頃から家の中の言語は英語でした。読む絵本も海外の絵本ばかりでしたから、その影響を自然に受けていると思います。




なるほどですね!
納得です。




「タンタンの冒険」とか読んでました!(笑)




あ、覚えています!
かわいいですよね、犬が。 それで、絵はいつから描かれていたんですか?




描き始めたのは本当に小さい頃からです。実はうちは昔から家にテレビがなくて、遊ぶといったら絵を描くくらいしか…兄弟3人でずっと絵を描いてましたね。




そうなんですね!
じゃあそうやってずっと絵を描いてきて、人に向けて描き始めたのはいつなんですか?




人に向けて描き始めたのは高校生の時、オリジナルキャラクターで4コマを描いたりしていました。その時は笑いに走っていました。




え、笑いですか!?(笑)




はい(笑)




意外です!!
Julietさんお会いしても一見クールビューティーな感じですし、お笑いのイメージはありませんでした(笑)




そうですかね。
大学で関西に行ったんですが、関西の笑いのレベルが高すぎてお笑いに関しては心が折れました(笑)


擬人化ならぬ”擬動物化”して描かれる温かな世界


juliet

Julietさんの絵は、絵そのものの可愛さもそうなんですけど、必ず短い言葉(詩)も添えられていますよね。それがより、絵のストーリーを深めていると思うのですが、これはどうして言葉も書くようになったんですか?




恥ずかしい話なのですが、好きな人ができた時にもっと表現したいと思ったんです。それで絵に言葉をつけてSNSで発信をしたらたくさんの共感をいただけて。嬉しかったですね。




そうなんですね。
日常の一瞬の輝きや切なさを美しい物語にしたような絵が多いですけど、これはJuliet さんご自身の経験からきているんでしょうか?




そうですね。
嬉しかったこと・悲しかったこと、日々色々な出来事がありますが、そういう自分の気分を絵に残さなきゃ!と思うんです。絵を描くときは言葉から始まりますね。




言葉からなんですか!




はい。
出来事があって、そのとき感じた感情を言葉にします。それを具象化して絵にして、言葉を絵に合うように整えているんです。




そうだったんですか。
ご自身の感受性が豊かだからこそだと思います。Julietさんの絵はほとんどが人と動物が描かれていますが、これにも何か意味があるんですか?


juliet

だいたい、自分の気持ちを代弁しているのが女の子です。 そして自分を取り巻く人を、擬人化ならぬ擬動物化をして描いています。




なるほど。
同じモチーフだったら、同じ方を思い浮かべて描いているんでしょうか?




その場合もあります。繊細な言葉をかけてもらったときは鹿になったり、力強い言葉ならトラになったり。包容力を感じた場合は羊になっていたりします。


女の子が女の子であることを楽しんでほしい

でもとても納得です。
Julietさんご自身の感情を描かれているからこそ、女性が共感するんですね。




もちろん人それぞれ想いは違うので、共感ポイントも違うと想いますが、見て下さった方がそれぞれの想い出を重ねてくれたらいいなと思います。


juliet

個人的に思うんですが、私みたいに30歳くらいになると、甘やかな気持ちとかトキメキとかって恥ずかしくて言葉に出来ないですし、もうそういう言葉や感情から目を背けたくなるんですよね(笑) でも、Julietさんの絵はソフトに暖かくそれを表現してくれていて、勝手に代弁してくれているような気分になるんです。




なるほど!私もある意味そうです。 絵を描くことは自分の気持ちの表現でもあるんですが、「絵」というフィルターにかけて世に出しているので、悲しい感情がきっかけで描いた時でも、後で振り返ると、可愛い絵になっているので和むんです。




見る側からしても、キラキラしたところばかりではなくて、悲しいことや切ないこともJulietさんが絵に落とし込んでくれるから心が安らぐんですよね。


juliet

絵を見た時に、見た女性がどういう気持ちになってほしいな〜と思いますか?




その方が感じるままに受け取ってほしいです。 あくまで私自身の感情の発信ですし、それぞれ見た人が自分のことを思い出してくれたら嬉しいです。 それと、女の子であることを楽しんでほしいな!という想いは常にあります。上手に甘えられない人が、甘えられちゃうようになるとか。それは恥ずかしいことではないよって。




すごくわかります。
Julietさんの絵は、女の子の女の子らしい部分を引き出してくれる絵ですよね。


展示をする度に学びがある

最近は、本の装丁など活躍の場を広げられていますよね。「I love youの訳し方」とても人気ですよね!


juliet

ありがとうございます。
本の著書の望月さんがSNSを通じて、展示会を見に来てくださったことがきっかけなんです。




そうなんですね!
個展やグループ展はやはり刺激になりますか?




なりますね。
展示する度に本当に勉強になります。




はじめて個展をされたのはいつなんでしょうか?




2014年です。
お世話になっていたカフェのオーナーに勧められてはじめて展示をしました。でもその時は「絵」しか展示しなかったので、「言葉がみたかったのに、勿体無い…」とフィードバックをもらいましたね。




やる場所やみる人によっても感想が変わるから、展示は難しいですよね。




そうですね。
その個展の後グループ展をして、その時はじめて人と並ぶ展示をしました。 その時は周りのプロとの差を感じてしまい、すごく反省しましたが勉強になりましたね。




そうなんですね。
私は2016年に青山でされていた個展にお邪魔しましたが、すごく落ち着いた空間で世界に没頭できました。 そういえば船の絵も描かれてますよね?!


juliet

はい!船好きなんです(笑)
正確に好きなものを写すのが楽しいんですよね。絵を描くことに煮詰まったら、リハビリがてら船を描いています。




今後は展示会の予定などはあるんですか?




まだ具体的には予定がないんですが、実は今「口紅で絵を描く」という新しい試みをしています。いくつかの作品はTwitterで発表していますが、すごくワクワクしています。口紅で描くことで、最強に「女らしさ」を表現できる気がするんです!(笑)


juliet

口紅で描くっていこうとがかなり官能的ですね。面白いです。



女の子が自分を許せたり、自分を甘やかせたり出来る作品を

今後はどんな活動をしていきたいですか?




引き続き、世界観がある作品を届けたいですね。 以前まで、音楽で人は泣いても、絵画で人は泣かないと思っていました。けど、絵と言葉をセットにして送り続けることで、心の琴線に触れることができると実感しています。 女の子が自分を許せたり、自分を甘やかせたり、感性を刺激したりできるような作品を作り続けたいです。




いち女子として楽しみにしています。 Julietさんありがとうございました!






 

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