2016.10.24

インテリア

「玄関」にオススメの絵とは?インテリアのプロが解説!

インテリア三宅

ペン

インテリアコーディネーター 三宅 利佳


国民的アニメの玄関に必ずあるものとは?

会社帰りに1杯ひっかけてきた波平とマスオさん。
ほろ酔い気分でガラガラ〜っと引き違い戸を開けると「お父さんおかえりなさい!」と家族じゅうが玄関に集まってきます。あらお二人ご一緒だったんですかとフネさんが問いかければ、あぁ駅でバッタリ会ってねと答えながらコートや帽子を脱いで、それをサザエさんが受け取ります。


お父さんお土産はないのーと言いながら、かばんを受け取るのはカツオやワカメなど子供たち。
テレビ画面でみたことがあるシーンです。



あるいは、これはどうでしょうか。「おーい!のび太!野球するぞ!」ジャイアンとスネ夫が家に迎えにきて、玄関先でのび太を待っているという場面。
またある時は、のび太のお母さんが近所の奥様仲間と玄関先で会話をしている。
そんな場面も、きっと見たことがありますよね。



玄関

「サザエさん」も「ドラえもん」も国民的アニメですからおそらく知らない、見たことない、という人はほとんどいないのではないでしょうか。カツオやのび太は、庭付きの一軒家で暮らしています。
アニメの中で何度となく登場する「玄関」は、家族を送り出したり迎えたり、来客をもてなしたり、家庭訪問の先生を出迎えたりと、あらためて注目してみると玄関が果たしている役割のようなものを見て取ることが出来ます。



実はどちらの家の玄関にもちゃんと「絵」が飾ってあります。お気づきでしたでしょうか?


壁に額を飾ることは日本のベーシック

サザエさんの家は引き違い戸の玄関ドアで、上がり框があり、フローリングの床につながります。正面に壁がありまして竹の絵の額縁が掛けられています。
外から来た人が玄関を開けると真正面の視界に入ってくるところに1つ、この竹の絵が掛けられていて、全体的に「和風」な印象の空間になっているのです。



玄関

のび太の家は開き戸の玄関、ドアには採光用のガラスがはめられています。同じく上がり框があって、いわゆる段差のない平成いまどきな「バリアフリー」の玄関ではありません。
カツオの家と間取りが違いまして正面には壁がなく、2階へ続く階段と廊下がまっすぐのびています。ですから、両サイドの壁面に絵と鏡が飾られています。



サザエさんものび太も、ごくごく普通の庶民として設定されていますが、玄関はすっきり片付いていて余計なものがなく(のび太の家には傘立てが置いてあります)、壁面には絵を飾り、下駄箱の上には花を飾り、床には玄関マットを敷く。
ある意味、日本においてのベーシックな玄関を表しているように思います。

そして、壁に額を飾ることは最小限必要なマストアイテム、なんだとも言えます。


外の世界と内の世界をつなぐ「玄関」

どんな場所にも必ず玄関があります。家でも、会社でも、どこにでもあります。
外の世界と内の世界をつなぐ境界、切り替わるところ、境目、出入り口。
学校や会社で嫌なことがあったとき、玄関の外で一呼吸して・・・よしっ・・・と心を切り替え笑顔で「ただいま」と、家族の前で強がってみたことはありませんでしょうか。
玄関は、なにかこう、靴を脱いだりするという物理的な意味だけではなく、精神的な意味でも区切りというか境目であるという気もします。



玄関

ところで、絵の起源はと聞かれたら、紀元前の洞窟壁画にまでさかのぼりますでしょうか。
狩猟の方法、人のシルエットなどを壁面に落とし込むなどして、昔から人間は「絵」を描いていました。



壁画

時代が進み、織物、染め物、彫刻、写真、CG、前衛的なアート作品・・・今はさまざまな表現方法の作品が存在し、絵画だけにとどまらずこれらは室内装飾として壁面や空間を飾っています。



こういった絵やアートを玄関に飾るのは、おもてなしの心、開運など風水的な意味、室内装飾やインテリアコーディネートを通した自己アイデンティティの表現、パーソナリティの主張、ホスピタリティの充足、・・・いやいや、そんなに難しく理由を探す必要もありませんね。


もてなしたり、出迎えたりする玄関に「絵」や「アート」を掛けていくことは、人間の営みとしてごく自然な欲求なのでしょう。


ぜひ、積極的に、玄関には「絵」や「アート」を取り入れていきたいものです。


「家族写真」は玄関には不向き!玄関にオススメのアートは?

では、どのようなものが玄関には向いていると思いますか。
結婚式や旅行の思い出、家族写真などを玄関に置いている人を見かけますが、これらは玄関ではなくリビングに飾るほうが良いのです。
玄関は人を招いたり送り出したりして多くの人目につくところではありますが、あくまでも「通過地点」ととらえます。
ですからじっくりと鑑賞したいお見せしたいというような内容の写真やアートを飾るには不向きの空間です。
ある程度の存在感があり、それでいてあまり説明くさくない内容、抽象画や風景的なもの、色のメリハリがあるようなものが玄関にはオススメなのです。



玄関にアート

マンションの玄関は、戸建てに比較してコンパクトな場合が多いと思います。小さな空間に大きなアートではバランスが悪く圧迫感がありますね。
マンションの場合には、玄関だけではなくその先に続く廊下も同じ空間ととらえて、小さめのアートをギャラリー風に壁面に並べていくとリズム感もあり楽しくなります。
テイストには統一感を持たせておくと良いでしょう。
玄関は家の顔であり、毎日通る場所で、そこに飾るものは毎日目にするわけですから、陰気なものや安っぽいものは避けたいですね。



迎え入れる人も、出て行く自分も、なんとなく視界の端に入ると元気がでるようなアート。
そんなアートをあなたもぜひ、迎え入れてみてください。



※コラム内の写真は作品の正位置とは異なりますが、作家協力の元空間を考慮して縦横を変えた状態で掲載しております。








 

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